第1話 クルト=ゾルディック
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さと仕事内容教えて欲しいんだが」
「はは、そうだったね。仕事内容は簡単さ。今からここに現れる男を倒して欲しんだ」
「男?男ってどんなや―――」
言いかけた瞬間、空から何かが降り、砂浜に降り立った。
その際の衝撃で、砂が巻き上がる。
「おいシャーロック。なんか降ってきたんだが…」
「推理通りピッタリなタイミングで来たね。さて、彼が君のターゲットである吸血鬼、〈無限罪のブラド〉だ」
「まさか吸血鬼だったとはな」
(本や親父から聞いた事はあったが実物を見るのは初めてだ)
とは言っても未だ砂煙から出てきていない為、その姿は分からないのだが。
早く出てこないかなー、と思っていると、それに応えたかのように、砂煙から一人の男が出てきた。いや、「男」などと形容するにはあまりにもソレは巨大で、異形の姿をしていた。
まさに吸血「鬼」に相応しい姿をしている。しかもただ巨大なだけじゃなく、凄まじい威力を出すであろう筋肉も搭載されている。
「ひっ…」
その姿を見た金髪の少女は震え上がり、一歩下がる。
「峰理子、ようやく見つけたぞ…」
化物がだすであろう重低音の声を響かせそう言ったブラド。
それをきいた少女…峰理子の瞳には涙が溜まっており、そして尋常ではない恐怖が宿っていた。
それを横目で見ていたクルトは思う。
―――気に食わない、と。
クルトは自身の後ろにいる少女が目の前の吸血鬼に何をされたか大体の見当は付いていた。
だから思うのである。
目の前の男は気に食わないと。
「…おいシャーロック。あいつをぶっ殺せばいいんだな?」
明らかに声のトーンが変わったクルトを前に、シャーロックは僅かに目を見張る。先程の様子からは想像も出来ない程の強烈な殺気。その殺気に、シャーロックが数瞬だけ呑まれたのだ。
「…出来れば殺さずに生け捕りにして欲しいのだけれどね」
―――今の君には無理な相談かな。
その言葉は言わずに呑み込んだ。
クルトもそれは理解しているだろう。クルトは黙ってブラド目掛けて歩き出す。
「あ?なんだクソガキ。俺様の邪魔するならころ―――」
「あっそ」
そんな素っ気ない言葉を放つクルトはブラドの背後から十メートル程の所にいた。その余りにも早い速度に、シャーロックは己の眼を疑う。
いや、それよりも信じがたいのは、クルトの右手には、ドクンドクンと今も鼓動し続けるブラドの心臓。左手にはブラドの頭部が掴まれている事だ。
「―――あ?」
顔だけのブラドはわけも分からずマヌケな声を出す。完全に何が起こったのか分からない表情だ。
そんなブラドを気にもかけず、クルトはブラドの心臓と頭を握りつぶした。
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