第十二幕その八
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「こうした英語のね」
「落語もいいのね」
「そうなんだ」
「落語は私も知ってたわ」
サラは先生に言いました。
「日本のお笑い文化の一つってね」
「そうなんだね」
「けれどその落語をイギリスから来た女の人がして」
そしてというのです。
「英語でもするなんてね」
「面白いね」
「こんな人もいるのね」
「そうなんだ、この人今落語で注目されて」
先生はさらにお話します。
「グラビアでもなんだ」
「奇麗な人だから」
「そうなんだ、可愛い服を着たり水着に成ったりしてね」
「その辺りイギリスと同じね」
サラはグラビアのお話を聞いて思いました。
「むしろ日本はイギリス以上に凄いわね」
「奇麗な人可愛い人は誰でもグラビアのお仕事するね」
「そうみたいね、アスリートの人も声優さんも」
「それで春琴さんもなんだ」
「成程ね、しかし兄さんって」
サラは今度は先生を見て言いました。
「グラビアのお仕事させてもらう位の人とお付き合いあるのね」
「お友達としてね」
「お友達なのね」
「そうだよ」
「お友達だけなのね」
今度はジト目になって言いました。
「兄さんは」
「いや、それ以上に何かあるのかな」
「まあこの人は実際にそうね」
サラは今度はこう言いました。
「芸能界にいたらスキャンダルは避けるでしょうし」
「スキャンダル?サラさんは真面目な人だよ」
先生は妹さんの今のお言葉にまさかというお顔で応えました。
「そんなスキャンダルなんてね」
「だからそういうのじゃないのよ」
「そういうのじゃないって?」
「気付かないならいいわ」
呆れて言うサラでした。
「相変わらずなんだから」
「相変わらずと言われてもね」
「わからないわよね」
「何を言ってるのかな」
「だから先生いつも言ってるでしょ」
ポリネシアはやれやれとなって言ってきました、皆は当然として先生と一緒にいてサラとのやり取りを見ているのです。
「それがわからないからね」
「問題なんだよ」
チーチーも呆れ顔です。
「本当にね」
「先生らしいよ」
「全く以てね」
チープサイドの家族もチーチーと同じ表情になっています。
「何でこうなのかしら」
「先生ときたら」
「先生、誰だってスキャンダルの可能性はあるよ」
こう言ったのはホワイティです。
「世の中ね」
「そりゃ先生紳士だから変なことしないけれど」
ガブガブはそれでもと言いました。
「そういう問題じゃないから」
「どうしてスキャンダルが起こるか」
ジップは指摘しました。
「セクハラだけじゃないね」
「そういうのゴシップだと常にあるよ」
トートーも先生にお話します。
「イギリスってゴシップのお話すぐに話題になるけれどね」
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