第十九話 少年期A
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ス!」
「なぁう」
アリシアの隣でリニスが防御バリアを爪でカリカリしている。ちょっとかわいかった。
「はッ、待てよ。俺もこの魔法を習得したらリニスに勝てるんじゃね? あの猫パンチの嵐を無効にできるんだから」
俺はリニス攻略法に光がさしたような感じがした。そうだよ、防御魔法だよ。いくら俊敏性や反応速度を持っていたとしても、相手の攻撃が受けつけなくなるのならいくらでも対策はできるじゃないか!
しかし、そんな俺の様子に、コーラルが残念そうに告げてきた。
『あ、それやめた方がいいですよ』
「え、なんで。今更ねこ相手に魔法使うなんて、っていう考えはとっくに卒業したぞ」
『ますたーお忘れですか。ますたーが今考えたことをすでに実行した存在を』
「すでに? ……あっ」
俺は思い出し、頬が引きつる。そう、すでにリニス相手に魔法で立ち向かった勇者は存在したのだ。そして、いまだにその成果が見られていない存在を俺は知っている。俺は無言で、爪でバリアをカリカリしているリニスに視線を向けた。
「……突破してくるのか、防御魔法を」
『突破してきます。確かに防御魔法の中では耐久力が低いとはいえ…』
「猫パンチが魔法に勝る世界って」
魔力を高めて出力を上乗せしていけば破られなくなると思う、というコーラルの助言。世界って色々理不尽だよね。魔法が使えるから万能というわけではないとよくわかった。あははは、やっぱりちゃんと努力が必要なんだねー。
「はい。それじゃあ、おしまいにするよ」
「はーい。そういえば、さっきの魔法陣は緑色だったけど、防御魔法は緑色なの?」
「あ、それは俺にもわかる。確か魔力光って言って、個人で色が違うらしいぞ」
妹に言われて気づいたが、確かにお姉さんの魔力光は緑色だったな。これは昔ネットで見たことがあるから、1人1人色が違うのは間違いない。なのはさんはピンク色で、ユーノさんは緑色。母さんは紫色だったし。
「あと確か魔力光の色で性格判断とかもできたんだよな」
「占いみたいだ」
「へぇ、そんなのがあるんだね」
『ますたーってこういう知識はよく知っていますよね』
こういう知識ってなんだ。あんまり役に立たないってことか。事実だけど。
「お兄ちゃん。私も自分の魔力光見てみたい!」
「んー。コーラル、できる?」
『魔力光を知るだけでしたらすぐにできると思いますよ。デバイスを稼働するときに、生体情報を取り込みますから。魔力光はリンカーコアと同色なので、波長を読むぐらいでしたらすぐにできます』
「「おぉー」」
結果から言うと、本当にすぐにわかった。アリシアは明るい水色で、俺は暗めの藍色らしい。フェイトさんが金色だったから、アリシアも同じ色なのかと思っていたけど違う
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