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星河の覇皇
第八十五部第二章 日本大使館その三十八

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「お米から造るから」
「それだけにですね」
「ええ、糖分はね」
「かなり多いですね」
「そうよ」
「そこはマッコリと同じですね」
「かつては日本酒を好きで糖尿病になった人は多いわ」
 明治帝もそうであられた、清酒の美味しさを愛され日々飲まれていてこの病気になられた。そして甘党でもあられたことも問題であった。
「今は完治する病気でも」
「かつては違いましたね、糖尿病は」
「だからね」
 それでというのだ。
「問題だったわ、とかくね」
「日本酒も糖分は多いですね」
「実にね」
「お米ですから。そのお話になれば」
 金は鍋の中の豆腐を食べつつ話した。
「マッコリもですね」
「あのお酒もお米から造るわね」
「日本で言う濁酒ですね」
「その違いはあまりないわね」
「その為マッコリを日本酒の起源とです」
「韓国では言っているわね」
「これは実は違います」 
 マッコリは日本酒の起源ではないというのだ。
「あのお酒は」
「そうね」
「マッコリはマッコリです」
 あくまでというのだ。
「他のお酒ではありません」
「日本酒の起源ではないわね」
「日本酒は日本酒です」
「私もそう思うわ、ただ」
「ただといいますと」
「河豚鍋も韓国風だと」
 唐辛子と大蒜で味付けされたその鍋ならというのだ。
「お酒は日本酒よりもね」
「マッコリがですか」
「合うと思うわ」
 こちらの方がというのだ。
「むしろね」
「韓国料理だからですね」
「ワインも合わないわね」
「確かに合わないですね」
「魚介類には白ワインでも」
 それでもというのだ。
「合うのはね」
「そちらですね」
「マッコリよ」
「白ワインでもですね」
「韓国料理のあの強い味にはね」 
 唐辛子と大蒜をふんだんに使ったそれにはというのだ。
「どうしてもね」
「あのお酒ですね」
「マッコリよ」
 それだというのだ。
「あの甘い味がね」
「韓国料理の強い味に合いますね」
「ええ、日本酒でも飲めるけれど」
 それでもというのだ。
「マッコリの方がね」
「合いますね」
「そして焼酎ね」
 この酒もというのだ。
「韓国料理には合うわね」
「強いお酒もですね」
「合うわ。けれど一番はね」
「やはりですね」
「マッコリよ。私はマッコリも嫌いではないわ」
「それで今もお話されますね」
「この通りね、それとだけれど」
 カバリエは河豚を食べながら言った。
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