■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆ヒースクリフの謎
第三十一話 キリトvsヒースクリフ
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楽しそうに笑っている。
――もっと、もっと速く……!
二人の戦闘はさらに加速した。
すると、少し不思議なことが起こり始めた。
ヒースクリフの動きが鈍くなってきたのだ。
キリトの動きに付いてこれない。
キリトへの反撃が挟めない。
やがて、ヒースクリフが致命的な隙を見せた。
盾を横に振りすぎて、がら空きになった胴に、キリトの一撃が迫り……
「……ッ!?」
「見えました、マルバさん!?」
「いや見えなかった! なんだ今のは!」
「私にも見えませんでした! でも……今のはどう見ても避けられない攻撃だった。どうやって避けたんです!?」
「あり得ない……あれも《神聖剣》の力なのかな?」
「スキルエフェクトがありませんでした。《神聖剣》じゃないです!」
「なら、あれはヒースクリフ自身の反射神経なんだろう。でも、あれはいくらなんでも速すぎる気がする」
「そうですよね。……わたし、ちょっとあれは気になります」
「そっか。……なら、戦うしかない、かな」
「そうですね。……行きましょう」
勝利したにも関わらずなぜか暗い顔のヒースクリフは、キリトを一瞥した後その場をすぐに去ろうとした。しかし……
「ちょーっと待ったぁッ!」
「待ってください!!」
ヒースクリフの行く手を、二人のプレイヤーが阻んだ。オーディエンスから矢次が飛ぶ。それを意に介さずに、マルバはヒースクリフに話しかけた。
「ヒースクリフさん、あなたの先ほどの回避、すごかったですね。僕もあなたと戦いたくなりましたよ」
「わたしもです。あんなに速く動ける人がいるとは思いませんでした。一度、わたしとデュエルしてくれませんか?」
ヒースクリフはわずかに顔をしかめたように見えたが、すぐに無表情になった。
「そんなことをして私になんの得があると言うのかね?」
「本来一試合だったデュエルが三試合になるんだ。入り口の近くでやってる、どちらのプレイヤーが勝つかっていう賭けは《血盟騎士団》が主催なんでしょう? いい収入になるんじゃないですか?」
「ふむ。確かに《血盟騎士団》とはいえ資金は常に不足している。しかし、いいのかね? それでは私が勝っても負けても同じではないか。本気を出す理由がなくなってしまう」
「そんなことないさ。あなたはさっきのデュエルの最中、笑ってましたよね? デュエルが好きな人間がデュエルで真剣にならないなんてことはないはずですよ。それとも、僕ではあなたには敵わないとでも?」
「正直、敵わないと思うがね。まあ、それはやってみなければ分からないことだ。さて、どちらから戦うかね? 私は二人同時でも構わないが」
ヒースクリフは二人の返事を待たず、会場中に聞こえるようにシャウトした。
「今ここでもう二人、
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