第七百二十三話 狼へのイメージその九
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「偏見を持ってだ」
「それに基づく判断はですね」
「あってはならない」
絶対にというのだ。
「そうだからな」
「それで、ですね」
「どんなものもな」
「偏見を持たないことですね」
「それがあると気付いたなら」
その時はというのだ。
「即座にだ」
「あらためることですね」
「そうしないと本当にな」
「過ってしまいますね」
「間違った情報なぞだ」
そうしたものはというと。
「百害どころではない」
「さらに酷いですね」
「億害と言ってもだ」
そこまでというのだ。
「差支えないな」
「そうしたものですね」
「だからだ」
「絶対にですね」
「偏見はな」
さらに言うのだった。
「あってはならないしだ」
「持ってはならないですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「いいな」
「はい、狼もです」
上等兵は強い声で答えた。
「絶対にです」
「偏見を持たないでな」
「観ていきます」
「そうすることだ」
「そうします」
また強い声で答えた。
「これからも」
「私も気を付ける」
大尉自身もというのだ。
「そうする」
「そうしないとですね」
「失敗するからな」
自分達の任務、工作員として連合に潜入しその情報を収集し分析したうえで本国に伝えることをというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「偏見なくだ」
「見て行きますか」
「この国のあらゆるものをな」
「そうされますか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「伝えていく」
「そうですか」
「必ずな」
「では私も」
上等兵は大尉の言葉を受けて述べた。
「至らずとも」
「偏見なくだな」
「この国を見ていきます」
連合をというのだ。
「その様にしていきます」
「そう思うことだ」
大尉は上等兵に顔を受けて言葉を返した。
「まずはな」
「意識することですか」
「意識するとだ」
そうすると、というのだ。
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