第四十二話 血に酔い痴れる女神その九
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「処刑や、その首をや」
「刎ねますか」
「鋸でゆっくりと切ってな」
所謂鋸引きである、十星連合は悪人には徹底的に容赦のない国であるのだ。
「両手両足を切ってからな」
「鋸で」
「首をや」
「そうしますか」
「そんな屑はな」
「容赦する必要はないので」
「そうする、そして魂もな」
これもというのだ。
「この世からや」
「消し去りますか」
「そして地獄に送ってな」
そうもしてというのだ。
「処刑する」
「そうしますか」
「そや、ほんまに困っている人達の為の制度やからこそ」
「審査はですね」
「ちゃんとせんとな」
「駄目ですね」
「片親やったり障害があったり」
そうした事情がありというのだ。
「フォローがないとまともに暮らせん様な人達にこそな」
「必要な制度ですね」
「そや、生きてても仕方ない様な」
そうしたというのだ。
「屑は処刑してな」
「困っている人達こそ救う」
「そうしていかんとな」
絶対にと言うのだった。
「そうせんとな」
「駄目ですね」
「世の中それに政はな」
中里は前を見据えて自分が乗っている鵺に話した、そしてだった。
一行は空の階も進みそこにいる敵達も退けていった、他の階も進み遂に神霊達が座している階に来た。するとだった。
長い黒髪に整っているが鋭く強い光を放つ古代メソポタミアの服を着て右手に鋭い刀を持つ女神から言われた、観ればその身体には様々なアクセサリーがある。
「ようこそ、私達の階に。私のことは知ってるわね」
「アナト女神ですね」
綾乃がその女神に応えた。
「そうですね」
「そうよ、それでここに来たからにはね」
「それならですね」
「私達と戦ってもらうわ」
笑顔での返事だった。
「是非ね」
「わかりました、ほな今から」
「お互い楽しみましょう」
女神はその整った顔に明るいだが凄惨さも含んだ笑顔で応えた。
「戦をね」
「戦は楽しむもんですか」
「そうでしょ、血を流して」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「血ですか」
「戦に血は欠かせないでしょ」
「そう言われますと」
「あんた達は違うかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「私はそうした神霊だからね」
「それで、ですか」
「ええ、戦だけじゃなくて」
「血もですか」
「楽しむわ、ではね」
「今からですね」
「戦いましょう」
こう言ってだった。
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