第百二話 自然環境もその三
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「わかるだろ」
「そうね、そう思ったら寒さに強くて羨ましいとか」
富美子は真剣に考える顔になってやや俯いて述べた。
「言えないわね」
「そうだよな」
「ええ、いいこと聞いたわ」
「俺も最近わかったよ。あとな」
「あと?」
「日本って疫病も猛獣も少ないよな」
越智はこの話もした。
「猛獣って熊位だろ」
「北海道でもね」
「これが虎とか豹とかな」
「そうした生きものもってなったら」
「大変だよ、虫だってな」
こちらもというのだ。
「蚊とかマラリア移すしな」
「マラリアもよく言われるわね」
八条学園ではとだ、富美子も応えた。
「暑い国の子がよく言うわ」
「東南アジアとかな」
「なったら大変だって」
「あれぶり返すしな」
「それで何度も熱出るのよね」
「死ぬ危険もあるしな」
マラリアで死んだ者は戦争で死んだ者より多いとも言われている、アレクサンドロス大王の様な英雄ですら命を落としている。
「だからな」
「マラリアも怖いわね」
「だから蚊もな」
「怖いのね」
「日本だって日本脳炎あるけれどな」
この感染症も蚊が媒体になっている。
「マラリアがないことはな」
「いいことね」
「日本でいつもあった感染症はな」
それはというと。
「天然痘位か」
「もうないわね」
「地球でな、あれ位か」
「あれもなったら死んだのよね」
「かなりの割合でな、夏目漱石さんもな」
この文豪もというのだ。
「なってな」
「死にかけたのよね」
「助かったけれどな」
幸いにだ。
「顔にあばたがあったらしいな」
「天然痘の後ね」
「写真じゃわからないけれどな」
これは修正を入れてもらってのことだ。
「そうだったんだよ」
「あの人も感染していたのね」
「ああ、その天然痘位でな」
「他の感染症は」
「コレラやスペイン風邪は流行ったけどな」
「世界的よね」
「ペストとかは流行らなかったからな」
この感染症はというのだ。
「このこともな」
「有り難いことね」
「赤痢とかもないしな」
「そうよね」
「感染症も少なくても猛獣もってな」
そうした環境はというのだ。
「それだけでな」
「有り難いことね」
「そう思うよ、話を聞いてたら」
世界中から来る友人達からというのだ。
「アフリカなんか特にな」
「あそこ病気も猛獣も多いから」
「エイズだって酷いだろ」
アフリカはというのだ。
「南の方は」
「それ有名よね」
「元々あそこの病気だしな」
アフリカ南部の風土病であったのが世界的に感染したという。
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