第百二話 自然環境もその二
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「また違うわ」
「寒さのレベルがな」
「私達の学年にはいないけれどベーメ人とかイヌイットの人達なんてね」
「極めつけだな」
「もう並大抵な寒さじゃないから」
北極圏はというのだ。
「だから神戸の冬も何でもない」
「そんな風か」
「みたいよ、イヌイットの人達になると」
「そうか、もうな」
その話を聞いてだ、越智はこう言った。
「日本の冬なんて平気か」
「みたいね、ただ寒い国って人口少ないわね」
「ロシアは多いけれどな」
越智はそれでもとすぐに自分で言った。
「広さの割にはな」
「人口少ないわよね」
「一億四千万位か」
ロシアの人口はというのだ。
「日本の四十五倍の広さでな」
「それじゃあ少ないわね」
「広さの割にな」
「そう言えるわね」
「若しだよ」
越智は真顔で言った。
「ロシアが日本並の人口密度だったらな」
「五十億人以上いるわね」
「六十億か?」
「世界人口と同じか殆どね」
「そうなるだろ、まあ有り得ないけどな」
「そこまでの人口ってね」
「ああ、けれどロシアの人口が少ないことはな」
その国土の面積と比較してだ。
「やっぱりな」
「否定出来ないわね」
「ああ、寒さも関係あるだろ」
このことについてというのだ。
「作物だって寒いとな」
「あまり出来ないから」
「お米があるとな」
この作物がというのだ、言うまでもなく日本では第一の主食であり古来から作られそのうえで食べられている。
「収穫が凄いだろ」
「それ聞いたわ」
富美子もそれはと返した。
「農業科行った娘からね」
「麦と比べて十倍位な」
「収穫違うのよね」
「あったかいとな」
そうした気候ならというのだ。
「お米だって作れてな」
「沢山食べられて」
「沢山食えるとな」
それならというのだ。
「大勢の人も養えるよ」
「そうなるから」
「だから日本は人口が多くて」
その国土の面積と比例してだ。
「それで暖かい国もな」
「人口多いのね」
「寒いと暮らすのが大変なだけじゃなくて」
それに加えてというのだ。
「農作物だってな」
「育たないわね」
「ああ」
そうだというのだ。
「それで養える人口もな」
「少ないのね」
「それで寒い国はな」
「人口少ないのね」
「それでうちの学園でもな」
八条学園でもというのだ。
「そうした国の人は少ないんだよ」
「成程ね、寒いってそれだけで大変なのね」
「ああ、だから北欧の連中が寒さに強くてもな」
「そうしたことを考えると」
「結構大変な背景があるってな」
このことがというのだ。
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