第百二話 自然環境もその一
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第百二話 自然環境も
富美子はこの時越智と一緒に梅田の町を歩いてデートをしていた、二人共ラフでそろそろ秋を感じさせるファッションである。
富美子は自分が穿いているズボンを見てだ、越智に言った。
「似合ってる?」
「ああ、いい色だよな」
越智は富美子の白いスラックス身体にわりかしフィットしているそれを見て微笑んだ顔で答えて言った。
「ちょっと動きにくそうだけれどな」
「これが案外よ」
富美子は笑って答えた。
「そうでもないの」
「動きやすいか?」
「身体にぴっちりしていても」
フィットしているのをこう表現した。
「それでもね」
「動きやすいか」
「そうなのよ」
「だったらいいけれどな」
「あれでしょ、スカートで来るって思ったでしょ」
富美子はこうも言った。
「そうだったでしょ」
「富美ちゃんスカート多いしな」
越智もこう言って否定しなかった。
「だからな」
「けれど今日はちょっと涼しいから」
「だからか」
「ズボンにしたのよ」
「そうなんだな」
「やっぱりスカートよりもね」
「ズボンの方があったかいか」
富美子に顔を向けて問うた、一緒に二人で紀伊國屋書店に向かって歩きながらそうしている。周りにはかなりの人が行き交っている。
「やっぱり」
「そうよ、特にミニスカってね」
「寒いか」
「だから冬なんかは」
その季節にそうしたスカートを穿くならというのだ。
「ガードが大事なのよ」
「寒さ対策か」
「そう、もう何重にもって感じにしないと」
「寒いか」
「そうよ、大阪はましだけれど」
自分達が暮らしている街はというのだ。
「学校のある神戸は寒いからね」
「あそこの冬は違うからな」
「海と山に挟まれてるからね」
「山からいつも風が吹き下ろしてな」
「六甲おろしがね」
「本当に冬冷えるな」
越智も実感を以て述べた。
「あそこは」
「だからね」
「制服はスカートだしな」
「その下に見えない様にスパッツはね」
これはというのだ。
「基本でその上にタイツよ」
「それか」
「それも二枚重ねね」
一枚でなくというのだ。
「カイロもあればいいわね」
「カイロもか」
「私としてはね。ただ東北とか北海道の娘はこれ位って言ってるでしょ」
神戸の冬でもというのだ。
「もっと言えば北欧とかロシアとか」
「あの辺りか」
「もう極めつけに寒いでしょ」
「ああいったところはな」
越智はこのことも否定せずに応えた。
「違うからな」
「だから神戸の寒さ位だと」
「平気か」
「そう言ってるわ」
「女の子もか。男もな」
越智は同性の話もした。
「神戸の冬位だとって言ってるな」
「そうでしょ、ああ
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