暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第177話:雪解けの輝き
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を今度は2人で叶えよう。アタシ達の夢として……」

 クリスの優しい言葉が透の心に染み渡る。声も無く嗚咽を漏らす透は、彼女の言葉に何度も頷いた。

 無事仲直りした2人の様子は、少し離れたソーニャとステファンからも見て取れた。お互いを想い合って抱擁する2人の姿に、2人の姉弟も安堵したようにホッと息を吐いた。

「良かった、クリス」
「もう大丈夫そうだな」
「えぇ」

 戦闘の最中だと言うのに、何処か和やかな雰囲気が一時辺りに漂う。しかしそれは何時までも続くものではなく、ダメージから回復したカリオストロの声で透とクリスは現実に引き戻された。

「ぐぅぅ……やって、くれるじゃないの……!」

「っと、流石にあれでやられてくれる程簡単じゃねえか」

 立ち上がったカリオストロに、クリスと透が武器を構える。今までなら透が前に出て、その後ろでクリスが狙いを定めると言う前衛後衛がハッキリした並び。だが今は違った。2人は共に並び立ち、透は右手の、クリスは左手の武器をカリオストロに向けた。
 それは2人が本当の意味で並び立っている事を示す立ち姿。隙の無い佇まいに激情に駆られる寸前だったカリオストロも冷静さを取り戻した。

 そこに響を始め他の装者達が合流してきた。

「大丈夫、クリスちゃん? 透君?」
「おせーんだよ、バカ。何で本部から離れてたアタシの方が先に到着してんだよ」
「それは私の所為じゃないよ〜……」

 クリスを迎えに行ったのは東野村だった。彼は急かすクリスの要望に従い、危険ギリギリの運転でヘリを操縦士他の装者達が到着するよりも圧倒的に早くこの場に辿り着いたのである。

 そうこうしていると他の装者達が周囲のアルカノイズを次々に殲滅。状況はあっという間に彼らの側に傾いた。
 到着した装者達は、明らかに今までよりも距離が縮まった様子のクリスと透に揃って安堵の表情を浮かべた。

「雪音、北上。どうやら仲違いは直ったようだな」
「あぁ……まぁな。すまねぇ、心配掛けちまって」
「いいのいいの! 2人が何時も通りに戻ってくれただけで!」
「って事は、後はアイツを何とかすればいいだけって事だな?」
「デース!」
「うん」
「油断しないで。相手は組織の幹部よ。1人で来るって事は、それなりの策があるって事かも……」

 装者達が見据える中、立ち上がったカリオストロは首をコキコキと鳴らしながら一つのカプセルを取り出した。以前サンジェルマンが試作型のアルカノイズを取り出した、あのカプセルである。

 カリオストロはそこから特別なアルカノイズ召喚結晶を二つ取り出すと、それを”奏とマリア”、”翼と調”それぞれの間に落ちるように放り投げた。結晶が割れるとそれぞれのペアは共に光に包まれ、そしてその場から姿を消し
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