第一物語・後半-日来独立編-
第十七章 ざわめく空の下
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宣伝になるぞ」
「日来の存続はセーランの担当だったからな、皆あいつから何か聞いてないか?」
疑問を皆に投げ掛けるか、返ってくるものは何も無かった。
ため息を心のなかで済ませ、頭を苛立ちから掻いた。
「こういうときのために、考えを紙にまとめとけって何時も言ってたんだけどなあ。意味が無かったか」
「それでもするしかないだろ、クソゲーもそうなように!」
「アンタが発言するなんて珍しいじゃないか」
「やっと記念すべき百本目のクソゲーを全クリ出来たんだ、今テンションマックスだぜ!」
最後列に座るサエルは、手に持ったゲーム機の画面を皆に見せ付けた。
狩り猫モンスターズニャンター? ああ、あれか、猫が怪物を狩るんだよな。当り判定がどうとか、素材が何とか、怪物の龍が空ばっかいるとかの批判が凄かったっていう。……やったことないけど。
変な知識を覚えている自分に、飛豊は変な関心を覚える。
入直がサエルの頭を誉めているのか力一杯叩いているが、これ以上馬鹿にならないことを祈る。
「ええっと、セーランが負傷中のため日来存続の説明は私が行う。ある程度話す内容はまとめておいたからな」
「ねえねえ、いいかなあ?」
と、テイルが机にもたれ掛かって何故か両手を挙げている。特に意味が無さそうなので、突っ込まないで話を聞く。
「会議で社交院が勝ったら日来は降伏、他勢力群|《イレギュラー》に移住ってことになるんでしょ? なら私達が勝ったら日来ってどうなんの? そこ説明ほしいなあ」
「そうだな、それにはセーランが前にぼやいていてな」
手振りをしていた腕を組み、記憶を思い返しながら話す。
「日来を動かし日来を救う、それでついでに世界も救うとか」
「セーラン君らしい考え方ですね」
「ふふふ、でもその前に世界を相手になんて出来るの?」
美兎の後、灯は平然と誰もが思っていることを言う。
それに関しては自分も不思議に思っているが、長はそれを解決するための道を示した。
これまでの彼の行動からそれは伝わり、
「それにはな、まず辰ノ大花攻略が必須条件だ」
「「辰ノ大花を?」」
一部を除き、皆は口を揃えた。
薄々は感じてはいるだろうが、説明が必要だろう。
一つ咳払いをした後、皆に説明する。
「黄森による辰ノ大花の宇天長の解放。今日の午後五時に行われるこのときまでに、会議を終了させ日来を辰ノ大花へと向かわせる」
「それにはわたくし、疑問がありますわ」
「いいぞ、話してみろ」
ええ、とネフィアは話し始める。
「五日前に辰ノ大花には危害を加えないと取引したのでは? 非公式とは言え、近くには黄森の隊隊長がいましたし」
「宇天の隊長の様子を見ていたら解るだろ? 辰ノ大花は宇天長の解放を望んではいない。それを手助けするのが危害であった
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