第百二十三話 甘いものその一
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第百二十三話 甘いもの
恋の甘さ、それをだ。
咲は次第に実感していた、それで従姉と一緒にいる時に何気なく言った。
「お姉ちゃん誰か好きになったことある?」
「あるわよ」
あっさりとした返事だった。
「私もね」
「そうなの」
「中学高校で一度だけね」
「そうなのね」
「それでどっちも自分から告白してね」
そうしてというのだ。
「付き合ってたわ」
「そうだったの」
「ただ今はね」
愛は自分の現状を話した。
「誰ともね」
「付き合ってないの」
「どっちも卒業と一緒に」
中学それに高校のというのだ。
「自然とね」
「終わったの」
「どっちも別々の学校になったから」
だからだというのだ。
「精々メールのやり取り位で」
「それでなの」
「自然よ」
それでというのだ。
「終わったのよ」
「それで終わるの」
「終わるわよ」
咲にあっさりとした口調で答えた。
「恋愛ってね」
「卒業して」
「別の学校になったらね」
それならというのだ。
「元々どっちも浅いね」
「お付き合いだったの」
「精々デートする位のね」
「それだけ?」
「そこからはね」
全く、そうした言葉だった。
「なかったね」
「そうしたお付き合いだったから」
「それでよ」
それ故にというのだ。
「もうね」
「あっさり終わって」
「それでね」
「何もないの」
「ええ、けれどどっちもね」
愛は咲に微笑んで話した。
「楽しかったわ」
「そうしたお付き合いでも」
「一緒にいてデートしてお話して」
そうしたことをしてというのだ。
「いつも凄くね」
「楽しかったの」
「そうだったの」
本当にというのだ。
「それだけでもね」
「そうなのね」
「だってね」
愛は自分の部屋に来てそれぞれラフな服装で一緒に食べている従妹にさらに話した。
「好きな人と一緒にいるのよ」
「それでなのね」
「デートするだけで」
「楽しいのね」
「あれでしょ」
愛はここで笑ってだ、咲に話した。
「咲ちゃん私が彼氏だった人とキスとか」
「そこからのこともね」
咲も話した。
「あるってね」
「そうでしょ、まあそうしたこともね」
「あったの」
「そういうことはお互い聞かないし言わない」
愛はこうも言った、笑ったまま。
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