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星河の覇皇
第八十五部第二章 日本大使館その三十三

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「この美味しさならですね」
「食べたくなるわね」
「そうですね」
「昔の人達、日本や中国の人達が河豚を食べた気持ちがわかるわ」
 文字通り命を賭けて食べたことはというのだ、カバリエは河豚だけでなく鍋の中の葱や糸蒟蒻等も食べつつ言った。
「本当にね」
「これだけの味だとですね」
「当然ね」
「まことにそうですね」
「そして今ではね」
「こうしてですね」
「河豚を食べるわ」
 そうするというのだ。
「私達もね」
「美味しいからこそ」
「そして河豚鍋の後はね」
「雑炊ですね」
「それを食べることになるわ」
「そちらも美味しいですね」
「河豚のだしがよく出てね」
 そうなってというのだ。
「実に美味しいですね」
「私はあの雑炊も好きです」
「私もよ」
「韓国では実は河豚鍋自体が物足りないという人が多いですが」
「韓国人の口には合わないのね」
「はい、韓国人の好みはです」
 食事のそれはというのだ。
「やはりキムチの様に」
「辛い味ね」
「大蒜と唐辛子を大量に使った」
「あの味ね」
「あの味でないとです」
 韓国人はというのだ。
「正直です」
「韓国人は合わないのね」
「ですから日本風のこのお鍋は」
「物足りないのね」
「そう言う人が多いです」
「やっぱりそうね」
「韓国人は本当に辛い味が好きです」
 キムチの様なそれがというのだ。
「ですからお刺身もです」
「コチュジャンを付けて食べるわね」
「そうしています」
 実際にというのだ。
「兎角あらゆる料理の味付けが辛いので」
「河豚は食べるわね」
「食べるにしましても」
「味付けが違うわね」
「チゲ鍋の様になります」
 韓国料理のそれにというのだ。
「どうしても」
「やっぱりそうね」
「日本の料理の味は大人しいです」
 これは連合全体で思われていることだ、濃い味付けが多い連合の料理の中では比較的そうだと言われているのだ。
「お醤油やお味噌もです」
「それが和食の軸ね」
「料理のさしすせそといいますが」
 この時代でも言われている言葉だ。
「やはり軸はです」
「お砂糖、お塩、お酢と並んでね」
「お醤油とお味噌ですが」
「その二つだとね」
「どうしてもです」
 その味はというのだ。
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