敢闘編
第七十三話 蠢動
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まう事がある。その結果起こるのは情報を漏らした者の特定、マスコミ対策、防止策の策定、軍法会議…後ろ向きの仕事ばかりなのだ。国防を司る評議員達が発生原因だとしたら、自ら負け戦に突き進んでいるとしか思えない…。
8月15日14:30
同所、ヤマト・ウィンチェスター
全く、ネグロポンティを追い返す為だけに呼び出しやがって…俺は忙しいんだ!
ハイネセンに戻ったら少将に昇進、新設する艦隊司令官への内示を受けた。当初はどこかの艦隊の参謀長か副司令、または分艦隊司令として転任する筈だったんだが、空きがない。どの艦隊の司令職や参謀長もアムリッツァ占領以降の新体制になったばかりで理由もなく転任させる訳にもいかないし、同じ理由で先日の防衛戦では俺達以外昇進していないのだ。だから空きがない、という事で既存の艦隊への転任は無くなってしまった。艦隊への転任も望んだ訳じゃない、いっそ査閲部とかに回して貰えませんか、と頼んでみたけど、そこも空きがない。じゃあ統合作戦本部勤務のままでいいじゃないですか、とも言ってみたものの将官配置の空いている役職は本部次長しかなく、しかもその配置は大将または中将が充てられるらしい。では高等参事官のままか本部長の副官ではどうですか、と言ってみたら、高等参事官は臨時の物だし本部長の副官は大佐または中佐配置だという。そういえば、劇中では本部長の副官って見なかったな…。
「やはり今でも艦隊司令官は気が進まないかね?」
シトレ親父はにやにやと笑っていた。
「少将という身分で独立した艦隊司令官というのはどうも…」
「だが、いずれは貴官も中将という地位を得て艦隊司令官職を経験するのは確実だ。それが少し早くなっただけだ」
「それは本部長の仰る通りなのですが…小官を目立たせなくする為に高等参事官にしたのではありませんでしたか?」
「目立たせたくなくても目立ってしまうからな、君は。であればむしろそのまま突っ走ってもらって、最高位を極めて貰おうと発想の転換をしたのだよ」
「小官に統合作戦本部長に就けと!?」
「宇宙艦隊司令長官でもいいだろう。君がそういう地位に就けば、君の理想とする同盟軍を創る事が出来るぞ」
「出来れば小官はこのまま閣下をお支えしたいのですが」
俺がそう言うと、シトレ親父は応接セットを見やった。はい、コーヒーですね…。コーヒーを用意する間にシトレ親父はデスクを離れてソファに深々と腰を下ろした。
「…君は私の好みをよく判っているようだな」
「何度も淹れてますので」
「はは、そうだったな…今でも充分に支えて貰っている。ルーカスに君を臨時に宇宙艦隊司令部に容れるように言ったのは私なのだ、想像はしていただろうがね」
あれは本当に寝耳に水だった。臨時とはいえ准将が前線指揮するなど有り得ない。
「君は権限を与えら
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