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色々と間違ってる異世界サムライ
第3話:ノノ・メイタの願望と意地
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大丈夫だよ。寧ろ、聖剣を手に入れた事の方が凄いよ」
「そうなのか?」
まあでも、本差無しで戦うのは少し心細いし、妖刀に呪われて本来の力が出ないは選んだ某の責任。
寧ろ、某に戦いの中で死ねと言っておるって事なのかもしれん。

では、用も済んだのであの老人の許に戻ろう。
「ところで、ツキツバさんはこの後、どうするの?」
「残るは宛ての無い旅しかござらん。この世界には鬼もおる様だし、気長に某を送ってくれる強者をさがします」
「そ……そうなんだ……」
「ただ、その前にノノ殿をあの老人にお返しせねばなりません」
「!」
「某は侍故、此処から先は危険を―――」
「待って!」
む?
待って?
「まさか、某について行くと?」
「こんな事を言ったらおこがましいかも知れない。でも、僕は増やしたいんだ!レベルの上限を!」
「……何を増やしたい、と?」
「僕はまだレベル3なのに、既にもう『レベル上限達成者』なんだ!そんなの嫌なんだ!」
「とは言われましても、某はれべると言うモノが何者かを知りませぬ。故に―――」
「他の人達には全て断られてる!もう、レベルが300もあるツキツバさんが、最後の頼みなんだ!」
これは、生半端な返答では追い払えない。
本能で察していた。
「その齢で『里』の為に死ぬ覚悟とは!」
「!?……弱い?」
「子供が戦に出れば、間違いなく死にます。斬られれば血が出ます。打たれれば骨が折れます。はらわたが飛び出ます。死に至るまでの地獄の苦痛は、大の男でものたうち泣き叫ぶ程だそうな……」
ノノ殿は完全に某との間合いを広げている。
だが、ここで下手を打てはノノ殿の命はない。
しかし!
「たっ……確かに僕は頼りないかも知れないけど……でも……でも……」
ノノ殿は声を絞り出して某の拒否に抗おうとする。
何故そこまで?
「僕だって、本当の家族を魔物に殺されてるんだ!魔物の怖さは誰よりも解ってる心算!」
なるほど。親の仇討ちですか?
ならば絞り出た声にも辻褄が合う。
「けど……だからこそ、いつまでも魔物から逃げてなんていられない!だから、僕は自分のレベルの上限を沢山増やして、勇者セイン様の仲間になって、勇者セイン様と一緒に魔王を斃したいんだ!」
「では、親の仇を討つ為の旅を始めようとしてる訳ですな?」
「その為にも……僕は自分のレベルの上限を沢山増やさないといけないんだ!だから、その方法を探すのを手伝って欲しいんだ!」

ノノ殿の真剣さに、某は幼少の頃を思い出しておりました。
「父上!太閤殿下が外国を攻める為の兵を募っておりまする!合戦です!」
「はやまるなよ。まだ早い」
「戦場での槍働きこそ武士の本懐!わたしも戦います!」
「ならん。未熟者が戦場に行くなど、敵味方に無礼なだけだ」
「父上!?」
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