第七百二十三話 狼へのイメージその六
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「悪魔もな」
「決して恐れられていないですね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「吸血鬼は恐れられているな」
「そこは同じですね」
「吸血鬼はどの国にも話がある」
「連合でも」
「だから恐れられているが」
それでもというのだ。
「狼はな」
「その中にはないですね」
「そうだ」
絶対にというのだ。
「他にも猛獣達もいるしな」
「ライオンや虎や豹ですね」
「鰐や蛇もな」
「そういった生きものの方が恐ろしいですね」
「人を襲うからな」
そうしたことがあるというのだ。
「熊もな」
「ですが狼は」
「今我々が観ている生きもの達にはない」
ニホンオオカミもコヨーテもドールもというのだ。
「相当餓えているか狂犬病でもないとな」
「襲わないですね」
「そうだ、また牧場もな」
こちらもというのだ。
「今は守られているしな」
「柵や電流で」
「だからな」
「狼に襲われることもですね」
「ない」
「そうですか」
「それに狼は多くの群れになっていてだ」
家畜達がというのだ。
「犬達もいて人もいるとなるとな」
「近寄らないですね」
「賢い生きものだからな」
それでというのだ。
「そうした状況だとな」
「襲わないですか」
「また牧場の方も考えていてな」
それでというのだ。
「狼を餌付けしてな」
「家畜を襲わない様にしていますか」
「また言うが狼は賢い」
また言うのだった。
「だからだ」
「それで、ですか」
「食べられるならな」
「それでいいですか」
「家畜を襲ってもだ」
そうして糧を得てもというのだ。
「相手も逃げて反撃もするしな」
「確実に捕らえられるとは限らないですね」
「獣の狩りの成功率は低い」
このことは狼に限らない、他の獣達も実際は狩りの成功率は三割に達すればいい方であるのが自然界なのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「餌付けされてな」
「糧が確実に得られるなら」
「それを選ぶ」
「そうなりますか」
「尚シートンは敢えてだ」
先程話に出した彼はというのだ。
「餌に毒それもカプセルに入れてな」
「匂いもですか」
「しない様にしてだ」
そうしてというのだ。
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