第四十二話 血に酔い痴れる女神その四
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「騙されたうえでな」
「利用されて」
「そして身ぐるみ?がされて」
自分が気付かないうちにというのだ。
「すってんてんになってな」
「終わりですね」
「そうなるのがな」
「関の山ですか」
「そんなアホはな、まあ無神論者でもな」
この考えの持ち主でもというのだ。
「全員が全員アホかっていうと」
「そうでもないですね」
「ちゃんとものの道理がわかってる人もや」
「いますか」
「そういうもんや、まあこの世界ではな」
「神霊の存在をはっきり感じられるので」
「無神論者もおらんけどな」
この世界の特徴の一つである、神霊はその目で見て会って言葉を聞く位に感じられるのでその存在を疑う者もいないのだ。
「有り難いことに」
「ご主人様は無神論者はお嫌いですか」
「アホが多いからな」
シェリルの見たところである。
「だからや」
「そういえば無神論者って変なん多いな」
芥川はシェリルの話を聞いて頷いた。
「日本やと」
「起きられた世界のですか」
「そや」
芥川は自分が乗っている九尾の狐の言葉に頷いて答えた。
「そっちの日本やとな」
「無神論者にはですか」
「変なん多いわ、ほんま詐欺師にころっと騙されるみたいな」
「自分の力だけ信じると言って」
「もうそんな能力なんてな」
それこそというのだ。
「一切ないな」
「そんな人がですか」
「多いわ、それでな」
そのうえでというのだ。
「行いもな」
「おかしいのですね」
「そや」
これがというのだ。
「めっちゃな」
「テロ起こしても権力に反対するならええって言った人そうした人におったけど」
綾乃は芥川の話を聞いて言った。
「そのテロで関係ない人がよおさん殺されたり怪我しても言うさかい」
「いや、それは酷いですね」
「権力に反対するなら人を殺してもいいのですか」
「罪を犯しても」
「そう言うのですか」
「そやねん、当然殺された人の遺族の人達も泣くけど」
大切な人を理不尽に奪われてだ、そうならない筈がない。
「殺された人も遺族の人のことも考えんと」
「権力に反対するならですか」
「殺人も傷害も起こしていい」
「罪を犯しても何をしても」
「そう言ったのですか」
「そんなこと言った店員さんおったお店あったけど」
綾乃は八岐大蛇に話した、八つの頭で自分に応える彼に。綾乃もまた大蛇の背に乗って空を進んでいる。
「潰れたわ」
「そこまで愚かな輩を雇うとなると」
「法の意味命の重み人の悲しみがわからない輩なぞ」
「それではですね」
「その店も知れたものですね」
「それでお店潰れた時言われてん」
まさにその時にというのだ。
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