第百一話 怪我をしないことその十一
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「そう思うのかな、けれどそうしたこと思っても」
「嫉妬しても」
「そんな暇あったら」
「どうするの?」
「自分が何かしたらいいよ」
「野球なり何なり」
「嫉妬しても何かなるかな」
一華に問う様にして言うのだった。
「一体」
「ならないわね」
一華もそれなたと答えた。
「そう言われると」
「そうだよね、だからね」
「嫉妬するなら」
「いいものをいいって素直に認めて」
そうしてというのだ。
「そのうえで」
「努力することね」
「そもそも練習しないとレギュラーになれないし」
野球部のというのだ。
「試合にも勝てないし」
「それはそうね」
「勉強にしても」
学校のそれもというのだ。
「やっぱりしないとさ」
「よくならないわね」
「何でもそうだよね」
一華にまた問う様にして言った。
「世の中のことって」
「そうね、だから寛君も」
「そうしているんだ」
「嫉妬しないで」
「何でもちゃんと見てね」
「評価して」
「いいものはいいって。それでそうなりたいって思ったら」
その時はというのだ。
「そうね」
「なる様に努力するのね」
「そうすべきだよ」
「嫉妬する位なら」
「その方がずっといいよ」
「そうなるわね、本当に嫉妬しても」
それでもとだ、一華も頷いた。
「何にもならないわね」
「そうだよね」
「嫉妬なんかする位なら」
「スポーツでも勉強でもね」
「やった方がいいわね」
「凄い野球選手、大谷さんみたいな人がいたら」
ここでもだった、達川は大谷翔平のことを話した。日本のプロ野球史上出たことがない様な人物について。
「嫉妬しなくて」
「どうしたらああした凄い人になれるか」
「考えて自分も少しでもね」
「大谷さんみたいになれる様に」
「努力した方がね」
その方がというのだ。
「本当にね」
「いいわね」
「何も努力しないで嫉妬ばかりして」
それでというのだ。
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