第百一話 怪我をしないことその七
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「最後の方お仕事なくてしかも孤立無援で」
「問題起こした結果ね」
「飲酒運転で事故起こしたんだっけ」
「息子さんのことで謹慎中で」
「それで事務所クビになって」
「お仕事なくなって」
「もう自棄酒ばかり飲んで」
それで医師から酒を止めないと長くないと警告もされていたという。
「肝臓壊してね」
「お亡くなりになったのよね」
「五十だったっけ」
この人の享年はというのだ。
「やっぱり若いね」
「五十だとね」
「今だとね」
「そうよね」
一華もそれはと言った。
「うちのお父さん滅茶苦茶な人だったけれど」
「それでもだね」
「漫才は面白かったって言ってたわ」
「そうだったんだ」
「お父さんも子供の頃しか見てないらしいけれど」
彼の漫才をというのだ、やすしきよしの漫才は一世を風靡しお笑いの世界に君臨していたのである。
「今の人達とは全く違っていて」
「面白かったんだ」
「そう言ってたわ、今のお笑いは」
それはというと。
「バラエティ番組ばかりで」
「ああ、適当に作ったみたいな」
達川もそうした番組についてはこう返した。
「テレビの」
「そういうのばかりでね」
「面白くないよね」
「そうよね」
「誰が見てもだよね」
「あんなの何処がね」
それこそとだ、一華はこうも言った。
「面白いのか」
「そんなものだよね」
「そういうのと違ってね」
「やっさんのお笑いは面白かったんだ」
「お父さんそう言ってるわ」
「そうなんだね」
「けれどそのやっさんも」
本物の漫才師、お笑い芸人だった彼はというのだ。
「お酒でね」
「お亡くなりになってるね」
「そう思うと飲み過ぎもね」
「よくないね」
「程々よね」
「それ位だね、沢山飲んでも」
そうしてもというのだ。
「毎日じゃなくて」
「飲まない日もね」
「用意してね」
そうしてというのだ。
「飲んでいかないとね」
「健康のことを考えて」
「俺もね」
「それで私も」
一華もというのだ。
「飲むの一週間に一回や二回よ」
「俺もだよ、やっぱり飲み過ぎはね」
「よくないわよね」
「そうだよね」
「かな恵だって」
自分達の仲間内で一番酒好きでよく飲む彼女もというのだ。
「確かに好きだけれど」
「飲まない日多いんだ」
「あの娘も週に一回か二回よ」
酒を飲む日はというのだ。
「合宿の時は別にして」
「普段はそうなんだ」
「あれで気を付けてるのよ」
かな恵にしてもというのだ。
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