第二章
[8]前話
「どちらも。フライもだけれど病みつきになるよ」
「そうですか、ではエールお持ちしますね」
「お願いするよ」
こう応えてでした。
フィッシャーどんはこの日フライだけでなく天麩羅や唐揚げも楽しみました。そして次の日自分からティギーおばさんのお家に行って言いました。
「いや、天麩羅も唐揚げも最高だったよ」
「どれも美味しかったのね」
「凄くね、おばさんの言う通りフライとはまた別のよさがあったよ」
同じ揚げものでもというのです。
「お陰でエールも美味しかったよ」
「それは何よりね」
「うん、ただつい飲み過ぎてしまって」
フィッシャーどんは笑ってこうも言いました。
「今朝は大変だったよ」
「二日酔いになったのね」
「それで食べ過ぎたからウエストのことも気になって」
このこともあってというのです。
「朝は痛む頭を我慢しながらまずはお家を出てすぐに泳いだよ」
「あんたのお家のすぐ前がお池だしね」
「蛙だからね。しこたま泳いでお水を飲んで」
「二日酔いを解消したのね」
「ウエストの問題もね。けれどそうしたことを差し引いても」
それでもというのです。
「天麩羅も唐揚げもよかったね」
「お気に入りになったのね」
「うん、また今度飲みに行って」
そうしてというのです。
「楽しむよ」
「それは何よりね」
「ただこの調子だとその度に」
お店に行って天麩羅や唐揚げを楽しむ度にというのです。
「どちらもフライと同じくお酒にとても合うからね」
「ついつい飲み過ぎて」
「そして今朝の様にだよ」
「泳ぐことになるわね」
「蛙は皆泳ぐことが大好きだからいいけれどね」
「それでもそうなるわね」
「これはね、しかし本当に美味いよ」
フィッシャーどんは心からこの言葉を出しました。
「おばさんのお話を聞けてよかったよ」
「二つの美味しい食べものに巡り会えて」
「本当にね。人の話は聞くものだね」
満面の笑顔で言うフィッシャーどんでした、そうしてです。
以後も度々そのお店に行って天麩羅や唐揚げをフライと一緒に楽しみました、そして翌朝必ず二日酔い解消とダイエットの為にお家の前のお池で丹念に泳いでお水を沢山飲む様になりました。
ジェレミー=フィッシャーどんのお話V 完
2023・7・1
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