第一章
[2]次話
ジェルミー=フィッシャーどんのお話V
ジェルミー=フィッシャーどんは今水辺で針鼠のティギー叔母さんとお話をしていました、おばさんはフィッシャーどんに水辺を見ながら言いました。
「フライとはまた違うのよ」
「同じお魚を使ってもだね」
「そう、日本や中国の揚げものはね」
「わしはフィッシュアンドチップスが好きだけれどな」
フィッシャーどんはおばさんに少し考えるお顔になって言いました。
「フライ以外にも揚げ方はあるんだな」
「そうよ、丁度森の市場にそうしたものを食べさせてくれる居酒屋が出来たから」
「そこに行けば食べられるんだな」
「あんたも行ってみたらどうかしら」
「それは面白そうだ、ちょっと行ってみるよ」
フィッシャーどんはおばさんの提案にすぐに頷きました、そうしてです。
実際におばさんに教えてもらった森の居酒屋に行ってみました、するとお店の中はイギリスというより日本の趣のお店で。
日本の着物みたいな服を着た若い男の白兎の店員さんにです、カウンターの席に着いたうえで言いました。
「天麩羅とか唐揚げとか貰えるかな」
「はい、具は何にしましょう」
「お魚とかでお願いしたいけれど」
「わかりました」
「あとフライもね」
お酒はエールを注文してでした。
フィッシャーどんはお料理が来るのを暫く待ちました、そうして調理されて出て来た天麩羅や唐揚げを食べますと。
「おや、違うよ」
「どう違いますか?」
「いや、揚げものなのにね」
兎の店員さんに食べた瞬間に目を丸くさせてから言うのでした。
「別ものみたいだよ、どちらもこれはこれでね」
「美味しいですか」
「天麩羅をおつゆに漬けて食べると素晴らしいよ」
白身魚の天麩羅を食べつつ言います。
「絶品だよ、そして唐揚げをお醤油に漬けて食べても」
「そちらもですね」
「最高だよ、フライもいいけれど」
「どちらも同じ種類のお魚を使っていますよ」
「それでもそれぞれ別ものみたいだよ」
ケチャップを漬けたフライも食べて言いました。
「同じ揚げたものでもね、エールにも合うし」
「天麩羅も唐揚げもフライもですね」
「全部ね、もう一杯いやどんどん貰うよ」
エールのジョッキを忽ちのうちに空にして店員さんに言いました。
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