暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第10節】キャラ設定1: ニドルス・ラッカード。(後編)
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 さて、「時空」という単語は本来、『時間と空間は互いに不可分の存在である』という事実を前提として、「その一塊(ひとかたまり)となった時間と空間の総体」を()して言う用語です。
 これは、人間の立場からすれば、『我々が所属している、この「時空連続体」全体のことだ』と言い換えても良いでしょう。
 それを考えると、〈時空管理局〉という名称はいかにも大袈裟(おおげさ)な代物ですが、もちろん、これは一種の「比喩(ひゆ)表現」です。
 例えば「天国」とか「地獄」とかいう単語も、本来は「霊的な次元に在る特定の領域」を指して言う用語のはずなのですが、日常的には、むしろ「物理次元に存在する特定の状況」を指して比喩的に用いられることの方が多くなっています。
(地球で言えば、「歩行者天国」や「借金地獄」の(たぐい)です。)
 それと同じように、〈時空管理局〉という時の「時空」も、実際には「人間が現実に行ける範囲内」としての「この〈次元世界〉全体」の意味でしかありませんでした。

 それでも、この次元世界には何百個もの「世界」が存在しているのですから、「わずか13個の世界」から成り立っているに過ぎない「地方組織」が、『次元世界全体を管理する』と主張し始めた時には、多くの世界がこれを「身のほど知らずの大言壮語」と(あざ)笑いました。
 実のところ、〈時空管理局〉が、発足直後のミッド旧暦465年(新暦で前75年)に「質量兵器の廃絶」と「ロストロギアの管理」を理念に(かか)げて〈統合戦争〉を始めた時には、遠方の諸世界は大半が『できるものなら、やってみるがいいさ』と、これを冷ややかな目で見ていたのです。
 そして、実際に、〈統合戦争〉も最初の十年ほどは「目に見えるような形」での進展は特に見られず、そのため、戦場にならなかった遠方の諸世界では『それ見たことか!』という論調が大勢を占めていました。

 しかし、そんな状況も、賢明なる「管理局の創設者たち」にとっては全く想定の範囲内でした。実を言えば、最初の十年ほどは、管理局の理念を周辺の諸世界にも周知徹底させるための、単なる「準備期間」でしかなかったのです。
 ミッド旧暦479年、幾つかの幸運にも助けられて、管理局がまず〈シガルディス〉を陥落させると、統合戦争の戦況は一気に傾き始めました。
 それからわずか4年後の旧暦483年には、〈デヴォルザム〉の「英明王」バムデガル九世が早くも管理局との停戦に合意し、さらに、旧暦495年には、何かとプライドの高い〈リベルタ〉までもがついに停戦に合意します。
 デヴォルザムやリベルタを支援していた、より遠方の(中央領域の外側に位置する)諸世界には、かつてないほどの衝撃が走りました。


 一方、聖王教会は以前から『ミッドチルダは聖王陛下に選ばれた世界である』との主張
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