暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第10節】キャラ設定1: ニドルス・ラッカード。(後編)
[9/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
となのですが、実のところ、三年戦争以降の時代は、多くの艦長たちにとって『いくら戦功を()げたくても、「犯罪組織を掃討する」か、「指定ロストロギアを確保する」ぐらいしか戦功など挙げようが無い』という、いささか困った時代でもありました。しかも、それらの手法は、どちらも「戦争をして戦功を挙げること」に比べれば随分と効率の悪い、地道な功績の挙げ方です。
 そのため、新暦34年の9月に、ギャリス・ブラウドラム参謀総長がゼブレニオ・バローグ総代らの了承の許に「遠征への参加」を(つの)ると、ほんのわずかな日数で、充分な数の艦長たちがその呼びかけに応じたのでした。


 さて、旧暦の時代の統合戦争によって〈中央領域〉が平定された後、管理局の勢力はその領域の外側へと、いわゆる〈辺境領域〉へと拡大して行きました。
 そして、北方および東方へは割と容易に拡大することができ、また、三年戦争が終結した後には西方にも順調に拡大して行った訳ですが……管理局の勢力は長らく、南方にだけは上手く拡大することができませんでした。宗教的な情熱に基づく抵抗が、予想以上に激しかったからです。
 もちろん、南方の諸世界も決して一枚岩では無く、幾つもの宗教が林立し、互いにいがみ合っていたのですが、それらの諸宗教は、少なくとも管理局の側から見れば、いずれも「邪教」と呼んで構わないほどの「異形(いぎょう)の宗教」でした。

『我々の神だけが「唯一にして絶対の神」であり、この宇宙全体の「造物主」であり、他の連中が崇めている対象など、みな「神の名を(かた)る悪魔」でしかない』と、何の根拠も無く一方的に決めつけ、『だから、異教徒はみな「悪魔崇拝者」であり、この世から抹殺されて当然の存在なのだ』と本気で主張するイカレた宗教もありました。
 また、『肉体は魂の牢獄(ろうごく)である』と考え、『だから、魂をその牢獄から解き放ってやることこそが正義なのだ。一方、新たな牢獄を作り、そこに新たな魂を閉じ込めることは、この上も無い罪悪である』と主張して、殺人を正当化し、不妊手術や去勢を強く()し進めるキチガイ宗教もありました。
 他にも、極端な血統主義に基づいて「一夫多妻や近親婚」を奨励するヘンタイ宗教や、「あからさまな男尊女卑」を正当化するダメダメな宗教や、生身の人間である開祖を「()(がみ)様」として(あが)めるカルト宗教など、「ベルカ系の穏健な宗教」とは決して(あい)()れることの無い異常な宗教ばかりです。

 管理局は、(こよみ)が新暦に切り替わった直後から、それらの諸世界にあらかじめ「秘密諜報員」を数多く潜入させており、『管理世界の一員になれば、そうした「伝統的宗教の恐怖や束縛」からは解放されるのだ』という話を(ひそ)かにそれらの世界の一般民衆の間に広めていました
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ