【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第10節】キャラ設定1: ニドルス・ラッカード。(後編)
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女のことを何も憶えていないのですが……猫だった頃の私を育ててくれた少女も、きっとあなたの心を過去に縛り続けることなど望んではいないはずです。
だから、お願いです。今はもう、過去ではなく、未来を向いてください。『あなたとともに未来を歩んでいきたい』と望んでいる女が、今、現実にあなたを待っているのですから」
ニドルスはその言葉を聞き入れ、自分自身もよく納得した上で、次のデートの際に自分の側から改めてマリッサに求婚しました。
それは、マリッサにとっても、もうだいぶ前から待ち続けていた言葉です。彼女は喜んでそれを受け入れ、二人は早速、その年の3月に結婚しました。
ニドルスにもマリッサにも、家族や友人がほとんどいなかったので、〈本局〉内部で行なわれた結婚式そのものはごく簡素なモノになりましたが、ミッド地上では、クレストが事前に「今も自分が妻子とともに暮らしているハラオウン家」からごく近い場所に「二人のための新居」を用意してくれていました。
ニドルスとマリッサは遠慮なく、その新居で慎ましくも幸福な新婚生活を送ることとなります。
(なお、余談ではありますが、それと同じ頃、ミゼット・ヴェローネ・クローベルは中将に昇進しました。)
また、同32年の初夏には、首都クラナガンで「遷都150年祭」が盛大に催されました。ミッド地上はどこも祝賀ムード一色で、マリッサにしてみれば、まるで自分たちの結婚を『世界が祝福してくれている』かのようです。
その一方で、ニドルスは結婚の直後から、愛する妻のため、義兄となったクレスト艦長の支援を得て、全力で「艦長資格の取得に向けた努力」を始めていました。
艦長資格の取得試験で最も難しいのは「指揮スキル」の問題なのですが、幸いにも、ニドルスはもう長らく、クレストが率いる戦闘艦の艦橋で彼の巧みな指揮ぶりを間近に見て来ています。
そのおかげもあって、翌33年には、ニドルスはなかなか優秀な成績でその資格取得試験に合格し、新暦34年の春には24歳で早くも艦長の地位に就きました。
そして、クレスト艦長は「妹と義弟の将来」に安心したのか、その年の秋には、ギャリス・ブラウドラム参謀総長が招集した「南方遠征部隊」にみずから志願したのでした。
時空管理局における「次元航行部隊」の前身は各管理世界の海軍であり、一般に佐官以上の階級ともなると、単なる「年功序列」だけではなかなか昇進することができません。元々が軍組織であるからには、やはり、ある程度は「戦功」が必要なのです。
しかし、カラバス連合との三年戦争が終結してから、すでに十年以上もの間、管理局は国家規模の「戦争」を全く経験していません。
もちろん、平和であること自体はとても良いこ
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