【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第8節】キャラ設定1: ニドルス・ラッカード。(前編)
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ての友人」の家で、改めて「自分の家があまり普通ではないこと」に気づいてしまいました。
その後、ディオーナがお茶を入れ、一緒にケーキを食べながら聞いた話によると、彼女の母親は「ヴェローネ・パストレア」という名前で、42歳の「公務員」なのだそうです。
しかし、ニドルスも、この時点ではまだ『管理局員も公務員の一種である』ということに、全く気づいてはいなかったのでした。
そうして、穏やかに時は流れ……いよいよ空士訓練校の受験の日が来ました。
新暦22年の1月下旬。昨夜から「この地方ではちょっと珍しいほどの」雪が降り積もっていたので、ニドルスは少し早めに家を出ました。案の定、公共の交通機関には少し遅れが出ていましたが、試験会場には余裕で間に合います。
ニドルスも『不正防止のため、互いに見知った受験者にはわざと遠く離れた受験番号を与えて、なるべく別の会場で受験させるようにする』という話を聞いていたので、試験会場にディオーナの姿が見当たらないことに関しては特に疑問を感じませんでした。
もちろん、個人のデバイスや通信端末を試験会場に持ち込むことは禁止されていたので、ニドルスは最初から自分の通信端末を家に置いて来ています。
さて、午前中は筆記試験で、昼食休憩をはさみ、午後からが実技試験でした。
実技試験は『会場ごとに何人かの試験官がいて、各試験官が個々の受験者を一人一人、番号順に審査していく』という形式で、受験者が事前に試験の内容を知ることが無いように、受験者はみな「窓が不透明な食堂」に待機させられて、一人ずつ呼び出され、試験を済ませた者は半ば追い出されるようにして、そのまま会場の外へと誘導されます。
ニドルスは「自己採点では」余裕で合格ラインを超えていたので、自信を持って独り試験会場を離れました。
ニドルスは実技試験の順番がだいぶ早い方だったので、まだようやく午後2時を過ぎたところでした。
(今、隣にディオーナがいてくれたら、「打ち上げ会」と称して、一緒にどこかの店に入って一服してるとこなんだろうけどなあ。)
途中で買い食いなどしながらそんなことを考えていると、雪で滑って危うく転びそうになったりもしましたが、それ以外には特に何事も無く、ニドルスは家に帰り着きました。
自分の部屋に戻って真っ先に通信端末を覗くと、すでにディオーナの端末からのメールが入っています。
(メール? 録音じゃなくて?)
珍しいこともあるものだと思いつつ、それを開いて見ると、次のような無機質な文章が出て来ました。
『これを見たら、すぐにこの番号にかけ直してください。ヴェローネより。』
(ヴェローネおばさん? なんでディオーナの端末を使って?)
ニドルスはあれからも何度かディオーナの家を訪れており、ディオーナの
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