暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第8節】キャラ設定1: ニドルス・ラッカード。(前編)
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んですよ。……正直に言うと、お金の問題さえ無ければ、今すぐにでも、こちらから縁を切りたいぐらいです。確か、そういう法律、ありましたよね」

 ミッドチルダには、昔から「法定絶縁制度」という法制度がありました。
 言うならば、これは『他人を家族にすることができる「養子縁組制度」の逆』で、『現実に血のつながった親子や兄弟姉妹であっても、双方の合意によって「法的に」他人になることができる』という制度です。
 これは本来、当局が小さな子供を毒親から保護するための制度だったのですが、その子供が一定の年齢に達していれば、子供自身がこれを主体的に利用することも当然に認められていました。
(もちろん、「親の側からの一方的な申し立て」は認められていません。)

「確かにあるけど……そこまで厳しい状況なの?」
「決して『本気で憎み合っている』というほどではないんですが……どうにも気持ちがズレすぎてしまって、もう互いに接点が何も見当たらないんですよ。ただ、今すぐ絶縁してしまうと、学費の問題とかがあるので……」
「本気で『親に借りを作りたくない』と言うのなら、奨学金という手もあるわよ。……もちろん、借金の一種だから、無事に空士になったら月々の給料から少しずつ返していかないといけないんだけど」
「でも、あれって、申請の手続きとか、かなりメンドくさいですよね?」
「初めての人にとっては、そうでしょうね。……そうだわ! 私、そういうの得意だから、代わりに手続きしてあげる。ちょっと、ニドルス君の端末、貸してくれる?」
(ええ……。)
 ニドルスもさすがにちょっと躊躇(ためら)いましたが、高価なデバイスを贈与されてしまった直後でもあり、ヴェローネの「100%善意」の笑顔を見ていると、なかなか断ることもできません。

「しばらく、ここで待っていてね。覗いたりしちゃダメよ」
 ニドルスから端末を受け取ると、ヴェローネはそう言って、リビングルームから駆け出して行きました。続いて、階段をパタパタと駆け上がって行く足音が聞こえて来ます。
(あれ? もしかして、これ、随分と待たされる感じなのかな?)
 ニドルスはふとそんなことを思いましたが、実際には、ほんの数分でまたパタパタと足音が聞こえ、ヴェローネはこちらの部屋に戻って来ました。
『はい』と返された端末には、すでに何かひとつメールが届いています。
「多分、『奨学金の申し込みは受理されました。合否の判定は、また後日、こちらからメールでお知らせします』みたいな内容のメールだと思うんだけど、一応、確認してみて」
 ニドルスが確認すると、まさにそのとおりの文面が出て来ました。
「後日とか言ってるけど、実際には、そんなに何日もはかからないと思うわ」
「何から何まで……本当にすみません」

 その日は、それで、ニ
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