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おぢばにおかえり
第七十七話 おみちの本その二十二

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「千里ちゃんも安心出来るね」
「二人で頑張っていけますね」
「そうだね。千里ちゃんよかったね」
 今度は私に笑顔で言ってきました。
「阿波野君有望株だよ」
「何でそこで私に言うんですか?」
「千里ちゃんだからだよ」
 こう答えるのでした。
「それでだよ」
「だからですか?」
「そうだよ」
「私だからといいますと」
「わからないかな」
「どうも」
 最近ここうしたことをよく言われますが。
「わからないです」
「それは人生の経験を積めばわかるよ」
「人生のですか」
「そう、今千里ちゃんが言ったね」
 新一君にというのです。
「人生の経験だよ」
「それを積んだらですか」
「わかってくるから」
「そうしたものですか」
「その時顔真っ赤にしないでね」
「真っ赤にですか?」
「ならないでね」
 笑ってこうも言うのでした。
「阿波野君もこれで言わないから」
「それは言えないですね」
 新一君も私を見て言ってきました。
「どうも」
「そこで言わないと」
「絶対に言えないです」
「やれやれだね」
「勇気がないんで」
「千里ちゃんだけが気付いてないけれどね」
 ここでまた私を見てきました。
「まあお引き寄せそれに縁だね」
「それで、ですね」
「どうにかなるね」
「阿波野君は絶対に縁があるよ」
 次郎さんが笑顔で言われました。
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