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夢幻水滸伝
第三百二十話 州の南から北へその十三

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「それでな」
「移民してきたのですか」
「アメリカに」
「ジャガイモを食べられなくなって」
「当時のアイルランドの人達はジャガイモが主食やったが」
 麦はイングランド人の地主達に納めていたのだ。
「そのジャガイモが飢饉になれば」
「どうなるか」
「もうそれは火を火を見るより明らかですね」
「最早」
「それでや」
 その為にというのだ。
「ほんまな」
「忽ちですね」
「多くの人が餓えて」
「移住せざるを得なかったのですね」
「この世界も色々あるけどな」
 惨たらしい話、非道な話がというのだ。人の世にはどうしてもこうしたことも避けられないということか。
「起きた世界にもあってな」
「それで、ですね」
「そうした事件が起こったのですね」
「その為ですね」
「アイルランドからアメリカに移民してきたのですね」
「当時のアイルランドの半分の人が移住したそうや」
 アイルランドの全人口のだ。
「そこまで凄かったんや」
「半分ですか」
「それはまたかなりですね」
「そこまで酷い飢饉でしたか」
「それでや」
 そうした事情があってというのだ。
「起きた世界のアメリカではな」
「アイルランド系の人が多く」
「そしてアイルランド料理もですね」
「入ってますか」
「それがほんまな」
 そのアイルランド料理がというのだ。
「さっき言った通りな」
「どうにもですね」
「粗食なので」
「余計な」
 まさにというのだ。
「アメリカ料理はどうかってなったわ、他の国の移民もな」
「ああ、経済的に裕福な人は稀で」
「やはり食べられずに移民してきた人達で」
「そうした人達が多く来たので」
「食文化はですね」
「建国から暫くは粗末なもんで」
 アメリカという国が建国されてからというのだ。
「しかも開拓と発展に力を注いで」
「食べるものは食べられればいい」
「そうした感じでしたか」
「働いて発展することに心血を注いで」
「食事はですね」
「その次やった、けどな」
 アメリカはそうした状況だったがというのだ。
「開拓地がなくなって少し落ち着いて」
「そうしてですか」
「生活にも余裕が出て来て」
「そのうえで」
「音楽や文学も発展してな」
 アメリカ文学は既にモヒカン族の最後に発芽があったという説がある、ただ本格的に隆盛していくのはやはり国家の発展と共にであった。
「そしてファッションもなっていって」
「お料理もですね」
「そうなっていったのですね」
「そうしたら世界中から移民が来てたさかい」
 まさに世界中からだ、欧州各国からだけでなく日本や中国といったアジア系の移民も多くなっていたのだ。
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