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夢幻水滸伝
第三百二十話 州の南から北へその十二

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「食べられるんや」
「そうなのですね」
「あちらの料理は非常に評判が悪いですが」
「普通のメニューをプロの人が作れば」
「美味しいのですね」
「そや、あと朝飯とティーセットはな」
 こうしたものはというと。
「ごく普通にな」
「美味しいですね」
「そうしたものは」
「そや、この二つはな」
 トウェインはハンバーグを食べながら言った。
「イギリスでもな」
「美味しいですね」
「評判がいいですね」
「イギリスでも」
「こうしたものは普通にええ、わいは紅茶はレモンティーやが」
 こちら派だというのだ。
「コーヒーをよお飲んでな」
「アメリカはそうですね」
「星の方々が起きられた世界でもそうですね」
「コーヒーがメインで」
「紅茶はレモンティーですね」
「あっちはミルクティーやが」
 イギリスの方はというのだ。
「レモンティーと一緒に楽しんでもな」
「いいですね、ティーセットは」
「そうですね」
「三時に」
「こっちはええ、しかしほんまな」
 トウェインは苦い顔で周りに話した。
「あそこはな」
「どうにもですね」
「食べものについては期待出来ないですね」
「そうしたお国柄ですね」
「イングランドもかなりやが」
 尚マロリーはこの国の者である、この世界では連合王国にではなくブリテンとアイルランドの四国は完全に分かれているのだ。
「他の三国もな」
「スコットランド、ウェールズ、アイルランドも」
「四国全てがですね」
「どうにもならん位にな」
 そこまでというのだ。
「酷くて特にアイルランドがな」
「ああ、あの国ですね」
「あの国の料理は特に酷いとか」
「我々もそのことは聞いています」
「イングランド等以上にと」
「それでそのアイルランドからの移民も多くて」
 トウェインはそれでと話した。
「起きた世界のアメリカはな」
「食文化についてですね」
「評判が悪いのですね」
「そうなのですね」
「そや、しかもな」
 さらに言うのだった。
「移民してくるってことはな」
「それなりの事情がありますね」
「祖国にいられない」
「そうしたものが」
「一旗揚げようと思ったり弾圧から逃れたりやが」
 移民してくる理由はというのだ。
「アイルランドは飢饉があってな」
「それで、ですか」
「アメリカに移民してきたのですか」
「そうだったのですか」
「ジャガイモが採れん様になってな」
 ジャガイモ飢饉という、一八四〇年代後半にアイルランドを襲ったあまりにも惨たらしい事件である。
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