【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第5節】闇の書事件にまつわる裏話。(後編)
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さて、話は少しだけ遡って、アインスが天に帰った直後のことです。
その日は「冬至の三日後」で、地球の暦では「12月25日」という日付になりますが、ミッドの暦法では、この日こそが「1月1日」になります。
【この件に関しては、「背景設定1」を御参照ください。】
事件も終わったので、〈アースラ〉の艦内では、急遽「新年のお祝い会」が開かれました。
クロノとリンディも、報告書の作成などは「また明日から」ということにして、今日だけは特別休暇を楽しみます。
「母さん。とうとう終わりましたね」
「本当に……終わったのよね?」
「ええ。父さんの身魂も、きっと喜んでくれていると思います」
一拍おいて、リンディも無言のまま小さくうなずきました。
正直に言えば、20年や30年はかかるかも知れないと覚悟していた仕事が、思いがけず10年で決着してしまったので、リンディはまだちょっと実感が湧かないと言うか、何やら体の奥底からゴッソリと気が抜けてしまったかのような感覚に襲われています。
(私……これからは一体何をして生きて行けば良いのかしら……。)
軽く酒を飲みながら、自分の「今後」や、なのはやフェイトやはやての「将来」について考えているうちに、リンディの中では次第に「ひとつの考え」が形を成していったのでした。
翌26日の昼、リンディはまず、なのはやフェイトやアルフとともに、高町家を訪れ、なのはの家族に管理局や魔法関連の話をすべて打ち明けました。
幸いにも、水曜日だったので、「喫茶翠屋」は定休日です。
最初は、士郎も桃子も恭也も美由希も『はぁ?』という表情で、なかなか信じてはもらえなかったのですが、なのはとフェイトが軽く宙に浮かんで見せたり、アルフが変身して見せたりすると、ようやく『これは手品でもドッキリでもないのだ』と納得してくれました。
その上で、リンディは士郎と桃子に「なのはの将来」についても、是非とも前向きに考えてもらえるよう、頭を下げてお願いしました。
また、なのはとフェイトは先日、「魔法少女」に変身した姿をアリサとすずかにバッチリと見られてしまっています。
そこで、二人ははやてともよく話し合った上で、その日のうちに、アリサとすずかには『明日、はやてちゃんの家で、すべて説明するから』と連絡を入れておきました。
そして、27日の朝、はやては退院すると、騎士たちとともに地元のスーパーへ直行しました。大量の食材を買い込んで帰宅すると、そのまま「退院祝い」のホームパーティー用に御馳走を作り始めます。
本来ならば、『祝われるべき人物が自分で食事を作る』というのは、かなり奇妙な状況なのですが、八神家には「はやて以上に美味しい料理を作れる人」が一人もいないの
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