【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第5節】闇の書事件にまつわる裏話。(後編)
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らね。現状では、おそらく、僕たちが三人がかりで、ようやく引き分けに持ち込めるぐらいだろう」
「ええ……。(絶句)」
「まあ、『上には上がいる』ということさ。もっとも、『彼よりも上』は、もしかすると、今の管理局の中には本当に一人もいないのかも知れないけれどね」
「あの人が、管理局最強の魔導師かあ……」
なのはは、ちょっぴり対抗意識を燃やしているようです。(笑)
「君たちはまだ10歳だ。でも、確か、地球の諺にも、『十歳の時には神童でも、二十歳を過ぎたら普通の人になってしまう』というのがあっただろう? 君たちはそうならないように、これからも是非、鍛錬を続けてほしい。そうすれば、いつかは彼に手が届くこともあるだろう」
そこで、なのははまたクロノに問いました。
「じゃあ、念のために訊くけど、ラウさんより若い齢で執務官になった人って、クロノ君以外にも誰かいるの?」
「決して数は多くないが、何人かはいるよ。例えば、ニドルス提督は……ああ。僕の義理の大叔父に当たる人物なんだが……いや! 彼が執務官になったのは16歳の時だから、ラウと同じ齢か。それ以外となると……そうそう。確か、ミゼット提督が執務官になったのは、15歳の時のことだったはずだ」
「ミゼット提督って……〈三元老〉とかいう、ものすごく偉い人のことだよね?」
そんなフェイトの問いに、クロノは大きくうなずきます。
「ああ。そのまま21歳で艦長になり、28歳で提督になったというスゴい人物だよ。それから……うん、思い出した。
彼女よりも何年か後のことだが、13歳で執務官になった『伝説の人物』も一人だけいたらしい。名前は、確か……ガイ・フレイル、だったかな? 旧暦539年、つまり、『新暦元年』の前の年のことだ」
「じゃあ、そのガイさんは……今年で79歳?」
「生きていればそういう計算になるが、残念ながら、この人物は二十代のうちに早々と殉職したらしい。しかも、最期はいささか不名誉な死に方だったらしくて、生前の彼を知る年配の人たちは、誰も彼については語りたがらないんだ」
クロノは続けて、その人物について語りました。
「だが、漏れ聞く限りでは、相当に優秀な人物だったようだね。もしも彼が僕たちと同世代の人間だったら、おそらく、ラウとでも互角か、あるいは、それ以上にやり合えたんじゃないのかな?
ああ。そうそう、思い出した。そう言えば、以前、ラウのことを『ガイ・フレイルの再来』と呼んで絶賛していた老人がいたよ。多分、スキルなどもよく似ていたんだろうね」
「ブレイカー資質と炎熱変換資質ってこと?」
「ああ」
「まさか、実は、血がつながってる、とか?」
「さすがに、それは無いだろう。そもそも、そういった特殊な資質は遺伝しな
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