【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第5節】闇の書事件にまつわる裏話。(後編)
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ま)しい感じの美形のアニキと、それ以上に大柄な体格の美女です。
「おお。誰かと思えば、クロノじゃないか。久しぶりだなあ!」
「ラウ! 相変わらずのようで何よりだ」
「聞いたぞ。何だか随分と大変な事件だったんだってなあ」
「君の方こそ、この年末年始は大活躍だったんだろう? 話には聞いているよ」
クロノはニコニコ顔で、相手の男性とそこまで一気に喋ってから、また三人の方へと向き直りました。
「ああ、こちらは僕と同期の執務官、ラウ・ルガラートだ。この名前は覚えておいて損は無いぞ」
「補佐官のムッディオーレです。以後、よろしくお見知りおきください」
見上げるような体格の肉感的な美女は、それでも、実にお淑やかな仕草でお辞儀をしてみせます。
すると、ラウは不意にクロノの首をヘッドロックのように小脇に抱え込んで、二人で壁の側を向きました。
一旦、女性三人の相手を補佐官に任せて、クロノと念話で素早くこんな「男同士のヒソヒソ話」を交わします。
《で? どっちがお前のカノジョなんだ?(ニヤニヤ)》
《そんな関係じゃないよ! あの二人は、ただの外部協力者だ。》
《何だよ、リゼルさんからはお前にもようやく「年下のカノジョ」ができたと聞いて来たのに。》
《なんで、アイツの言うことなんか、真に受けるんだよ!?》
《……クロノ。いくら良い体つきでも、他人の使い魔はやめておけよ。(迫真)》
もちろん、これは、あからさまな悪ノリです。
《だから、カノジョとかじゃないって言ってるだろう! ……と言うか、ラウ。その言い方だと、自分の使い魔なら別に構わないと言っているように聞こえるんだが?》
《そうだなあ。まあ、確かに、ムッディは最初から、半ば「俺の愛人」のようなものだが。》
クロノ(15歳)のささやかな「反撃」にも、ラウ(19歳)は堂々と開き直り、そう言ってのけました。
(もちろん、実際には、ただシャレでそう言っているだけなのですが。)
一方、アルフはとっさに二人の前に出て、ふと相手の臭いを嗅ぎました。
「あんた、人間じゃねえな。使い魔か?」
「我ながら上手に化けたと思っていたのですが、やはり、『犬の鼻』までは、ごまかし切れないようですね」
「犬じゃねえ。狼だ」
「それは失礼しました。……ちなみに、私はミッドの西半部に棲む、性格の穏やかな『西黒熊』の使い魔です。東半部に棲む、凶暴な『東黒熊』とは生物学的にも別の種ですから、きちんと区別してくださいね」
言葉づかいは丁寧でも、『どうせ、その程度の違いでしょう?』と言わんばかりの態度です。
アルフは思わず相手を睨みつけましたが、そこへラウの言葉が届きました。
「済まんが、クロノ。今日はちょっと急い
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