【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第4節】闇の書事件にまつわる裏話。(前編)
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もない〈地球〉に潜伏中だなどとは、さすがに予想はできていませんでした。
【地球とファルメロウの位置関係については、また「背景設定6」を御参照ください。】
「何とかして君の助けになりたかったのだが、残念だよ。私も、仕事を選べるような立場だったら良かったのだが」
「そのお気持ちだけで、充分ですよ。私たちは大丈夫です。それより、あなたこそ、どうぞお気をつけて。宗教結社の危険性については、私もクライドから『自分の父は、あの狂信者たちのせいで命を落としたのだ』とよく聞かされていました」
「ありがとう、私も気をつけるよ」
そこで、ニドルスはまたもや不意に話題を変えます。
「そうそう、思い出した。実は、些少ながら、君の助けになるかも知れないネタがあるんだよ。名前は特に聞かなかったが、二年ほど前、名門中の名門『グラシア家』の、とある分家の御令嬢に『ベルカ式魔法の希少技能』が発現したそうだ。
未来予知の一種で、古代ベルカの文献にも、確かに『プロフェーティン・シュリフテン』という名前で記載されている能力らしい。昔のベルカには何人も『使い手』がいたんだが、実のところ、ここ200年ほどは『まともな使い手』など一人もいなかった。それほどの希少技能だそうだよ」
それを訊くと、リンディもさすがに愕然とした表情を浮かべました。
「未来予知? そんなことが、本当に可能なのですか?」
「ああ。ただ、予知とは言っても、それは多くの場合、『近い将来に起きる特定の案件について、幾つかある「未来像」の中でも最悪のモノ、あるいは最も可能性の高いモノを提示して警告する』という内容のものだからね。『予知としての的中率』それ自体は決して高くは無い。予言詩の解釈は難しいが、事前にそうと解っていれば、悪い未来は回避できるからだ。
その令嬢も今はまだ十代で、このスキルをいささか持て余しているという話なんだが、上層部の中には、これを気にかける人たちもいてね。自分も今回の遠征に際して、『参考意見』として最新の予言詩を幾つか見せてもらった。
だが、この詩文は、君にこそ関係があるモノではないかと思って、一応は『特秘事項あつかい』だったが、こっそり記録して来た。『闇』という単語が繰り返し出て来るから、私としても気になったんだよ」
そう言って、ニドルスはリンディにだけ、こっそりとその詩文を見せました。
「原文は古代ベルカ語だから、この翻訳がどこまで的確かについては必ずしも保証の限りではないんだがね」
『遠き国にて、長き「夜」は終わる。たとえその願いは果たされずとも。
遠き国にて、長き「旅」は終わる。たとえその故郷には帰り着けずとも。
もしも「小さな翼」が、その運命のままに「闇」に染まるならば、
大
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