【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第4節】闇の書事件にまつわる裏話。(前編)
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ば御一緒にどうですか?」
「ああ。こちらもそろそろ飯にしようかと思っていたところだよ」
リンディの提案を受けて、一同は食堂に場を移しました。
その食堂にエイミィも呼び寄せ、しばらくの間、提督は提督同士で、他の六人からは少し距離を置いて、あれこれ話し合う形となります。
また、リゼルがなおもクロノとじゃれ合い、エイミィが苦笑ってフェイトに二人の関係などを説明する傍ら、猫素体のジェルディスは狼素体のアルフに、周囲の人間たちには聞かれないように、わざわざ念話を使ってこう語りました。
《どうか、覚えておいて。使い魔の寿命はせいぜい40年あまり。どれほど理想的な環境であっても、使い魔が50年も生きた実例はひとつも無い。私も今年の秋で、使い魔になって満40年。そろそろ考えておかないと……。》
《……死ぬことを、ですか?》
使い魔としての大先輩を前にして、アルフもさすがに神妙な言葉づかいです。ジェルディスは小さくうなずき、こう続けました。
《私の主はまだ55歳だから、私はきっと主をこの世に残して先に死ぬことになる。あなたの主もまだ随分と若いようだけれど、あなたも覚悟だけはしておいてね。もちろん、あなたにとっては、それはまだずっと先の話なんでしょうけど。》
それは、『私にとっては、さほど先の話ではない』と言わんばかりの口調でした。
一方、ニドルスとリンディの会話は、おおむね以下のようなものでした。
「本当に久しぶりだね、リンディ。兄貴の『祀り上げ』に間に合うようにと、私も大急ぎで仕事を片付けて来たんだが……君たちも来てくれていたとは嬉しいよ」
実のところ、クレスト・ハラオウン艦長(ニドルスの義兄で、クロノの父方祖父)は、30年前の6月に殉職したので、その「祀り上げ」の日程はもう数日後に迫っています。
「直接の面識はありませんが、私にとっても義父に当たる方ですからね。間違っても、なおざりにはできませんよ」
30年前には、リンディもまだ8歳で、後に夫となるクライドとは、まだ出逢ってすらいませんでした。その父親と面識が無いのも当然のことでしょう。
「君がそう言ってくれれば、兄貴もきっと喜ぶだろう」
「だと良いんですが」
リンディはちょっと自信の無さそうな口調で笑い、そこでふと話題を変えました。
「私たちは数日前に〈本局〉に戻って、少しバタバタしていたところだったんですが……そちらは最近、どんな感じでしたか?」
「面白くもない半端仕事ばかりだったが、妙に慌ただしい毎日だったよ。私も〈本局〉に戻って来たのは一昨日のことで、実のところ、娘の顔を見たのも久しぶりのことなんだ」
「大きな事件が無かったのなら、それはそれで良いことじゃありませんか」
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