【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第4節】闇の書事件にまつわる裏話。(前編)
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うな存在なんでしょう? だったら、フェイトちゃんが個人的に相続するのは、むしろ当たり前のことだよ」
「ありがとう……ございます」
フェイトは涙をこらえながら、二冊の本を重ねて自分の胸にギュッと抱きしめました。
「良かったなあ、フェイト」
アルフもちょっぴり涙声です。
「それで、実は、もう一つ重要な話があるんだが、いいかな?」
クロノは一拍おいてから、そう話を切り出しました。フェイトが小さくうなずくと、また言葉を続けます。
「君たち、なるべく早いうちに、嘱託魔導師の認定試験を受けてみないか? 嘱託の資格を持っていた方が裁判でも有利になるし、何より、君たち二人が問題なく一緒にいられるようになる」
「将来的には、私たちの仕事も手伝ってもらえるようになるのだけれど、どうかしら?」
リンディがそう言葉を添えると、二人は一瞬、視線を交わしてから、大きくうなずき、ぴったりと声を揃えて答えました。
「「受けます!」」
「じゃあ、あとは日程の問題ね」
「なんなら、今からでも!」
アルフはそう勢い込みましたが、それはさすがにやんわりと却下されます。
「いや。一応、こちらにも都合というものがあるから」
「じゃあ、なるべく早いうちに時間を取ってもらえるよう、私はこれから、レティ提督に話をつけて来ます」
エイミィはそう言って、一足先に退室しました。
その後、『少し早いが、今日はもう昼食にしよう』という話になり、四人はその部屋を出て、食堂へ向かいました。途中、フェイトは、局から与えられた個室に立ち寄り、大切な二冊の本をそこに置いて来ます。
そして、また四人で通路を歩いていると、不意に後ろから「勢いよく駆けて来る足音」が届きました。クロノがふと「嫌な予感」に駆られて振り向くと、そこへ妙齢の美女が勢いよく飛び込み、抱き着いて来ます。
「クロノ〜、長らくアタシに会えなくて、寂しかったか〜い?」
「そんな訳ないだろう。いい加減にしろ」
クロノは棒立ちのまま、いかにもウンザリとした口調で答えました。
「も〜。相変わらず冷淡いなあ、クロノきゅんは」
「その『きゅん』はヤメロ! もう何歳だと思ってるんだ!」
「あの……クロノ。こちらの方は?」
フェイトがやや躊躇いがちに訊くと、クロノが答えるよりも先に、その美女がまた妙に楽しげな口調でクロノにこう問いかけます。
「で? この子がクロノきゅんの今カノ?」
「両目がそろって節穴なのは、まだ全く治っていないようだな。ああ、フェイト。こちらは……」
「元カノの、リゼル・ラッカードで〜す。(ピースピース)」
「事実を捏造するのはヤメロ!」
「え〜。一緒にお風呂にだって入った仲なのに〜。(笑)」
「10年も前の話を、一体い
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