【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第3節】ジュエルシード事件にまつわる裏話。
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場所を移して、クロノとの通信を続けました。クロノが『報告書の作成のために、ひとつふたつ確認しておきたいことがある』と言うのです。
「プレシアは12個のジュエルシードを使った。そして、崩れ行く〈時の庭園〉から、管理局の武装隊が4個までは回収に成功した。残る8個は、虚数空間に失われたようだ。
だが、今、こちらの手元には現実に12個しか無い。全部で21個だから、ひとつ計算が合わないんだよ。まだ1個、どこかに回収できていないジュエルシードがあるはずなんだが……念のために訊くが、君の方に心当たりは無いか?」
「地上はすでに細かくスキャンしたんだろう? それなら、現代の技術でこれほどのモノを見逃すはずは無い」
「何者かが、僕たちよりも先に封印し、隠匿している、という可能性は?」
「いや。魔法文化の無いこの世界で、それはあり得ないよ」
さしものユーノも『あの〈闇の書〉がもう十年も前からずっと地球に潜伏中である』などとは、さすがに思い至りませんでした。
「常識的に考えれば……今も軌道上に残っているか、海底に沈んでいるか。さもなくば、プレシアが実は13個目を持っていて人知れず虚数空間に失われたか……といったところだろうね」
「やはり、そうなるか……。しかし、フェイトの証言から、プレシアが確保したジュエルシードの数が12個であることは、すでに判明している。それから、〈アースラ〉の方でも、地球の軌道上は相当に詳しくスキャンしたんだが、全く反応が無かった」
「となると、海底の可能性が高いけど……『フェイトがあれだけ無茶をしても、浮上して来なかった』ということは、『かなり深いところにまで落ちている』ということなんじゃないのかな?」
そこで、エイミィが不意に画面の横から顔を出して、口をはさみました。
「一応、その辺りの海底地形もざっと調べてみたよ。沖合10キロあまりの地点までは、いわゆる『大陸棚』が拡がっていて、水深はせいぜい百数十メートルといったところなんだけど、そこから先は急に深くなっていてね。沖合十数キロの地点では、水深はもう軽く800メートルを超えているみたいなんだ」
「確かに、フェイトが海中に注ぎ込んだ魔力も相当な量だったが、さすがにその深さにまでは届かないだろうね」
「となると、やはり、深海に落ちたと考えるのが妥当か……」
クロノは『困ったなあ』という顔つきです。
「その深さになると、もうスキャンも届かないんだよねえ」
エイミィもそう言って、肩をすくめて見せました。
「だとしたら、現代の技術では、もう回収は不可能だろうね」
ユーノもさすがにもう諦め顔です。
「ああ。海中では、魔法もろくに使えないからな」
そもそも、魔力素とは、「多細胞生物の体から漏れ出した『余剰生命力』
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