【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第2節】ユーノ・スクライアの物語。(後編)
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年代の末になって、ようやくその技術の再現に成功し、それを「第三世代デバイス」と呼称しました。
(旧暦の末に、管理局全体の統一規格として制定されたデバイスが「第一世代デバイス」で、新暦10年代の末に高度なAIが実用化されたことを受けて、20年代から盛んに造られるようになったインテリジェントデバイスが「第二世代デバイス」です。)
しかし、E−クリスタルは稀少な存在なので、同じ質量のD−クリスタルと比べると、その価格には軽く何十倍もの開きがあり、それ故、40年代に入っても、第三世代デバイスはそれほど大量に生産されるようになった訳ではありませんでした。
その上、50年代の末には、D−クリスタルへの「書き込み技術」そのものが格段の進歩を遂げた結果、「新式のD−デバイス」の性能もまた格段に向上し、E−デバイスとの性能の差は、せいぜい三〜四倍にまで縮まりました。これが「第四世代デバイス」です。
(カートリッジ・システムを始めとする「長らく失われていた古代ベルカの技術」が再現されたのも、やはり、この時期のことです。)
こうして、性能の差が価格の差よりも「相当に」小さくなってしまった結果、新暦60年以降、第三世代デバイスの製造は急速に廃れて行きました。
だから、今でも、E−デバイスは(古代ベルカ製のものを除けば)大半が『新暦40年代か50年代のうちに製造されたものだろう』と容易に見当がつくのです。】
ハドロはさらに続けて、こう語りました。
「もし、お前にも使いこなせず、誰か他にこのデバイスを使いこなせる者がいたら、お前の判断でその者にこれを譲っても構わない」
「え? いや。それは、さすがに……」
「道具は、正しく使われてこそ価値がある。このデバイスの『本来の持ち主』も、きっとそれを望んでいるはずだ。だから、是非そうしてやっておくれ」
「……解りました。もし、そうなった時には、必ず……」
ユーノはそれだけ言うと、そのペンダントを自分の首にかけ、二人に一礼しました。
「それでは、早速ですが、行って来ます」
「うむ。初めて行く世界だ。体にはよくよく気をつけるんだよ。お前の体は元々あまり免疫力などの強い方ではないのだから」
「無理はするな。もしも現地に頼れる者がいたら、迷わずに頼れ。一人で背負い込みすぎるな」
ガウルゥはいかにも「不承不承」という顔つきでしたが、それでも、本当にユーノのことを心配してくれています。
そして、ユーノは元気にうなずき、駆け出して行ったのでした。
ユーノのそうした後ろ姿を見送ってから、ガウルゥはひとつ深々と溜め息をつくと、またハドロに問いかけました。
「本当に、これで良かったんですか?」
「何がかね?」
「ユーノも言っていましたが、アレは、あなたにとって、とても大
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