【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第2節】ユーノ・スクライアの物語。(後編)
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ると、ハドロやガウルゥが実の祖父や叔父ではないことを当人たちから知らされました。実を言うと、それはもう薄々解っていたことだったのですが、ユーノは続けて、母親「アディ・モナス」についてもいろいろと聞かされます。
ユーノにも、さすがに2歳の時の記憶はもう残っていません。
母親の話を聞いたユーノは、小児なりに真剣に考えて、やがて『自分の両親は犯罪者だったのではないか』という結論に到達しました。
もちろん、詳細は解りませんでしたが……例えば、『盗んだ金の分け前でモメて、アディは排除されたが、ここで下手に「子供の父親でもある、主犯の男」を追えば、犯罪が露見して自分も共犯者として裁かれることになる。だからこそ、アディはわざわざ「この子の父親は決して探さないでください」などと言って、スクライア一族を「隠れ蓑」に、長らく潜伏することにした』といった状況だったのではないか。
ユーノはそう考えたのです。
こうして、ユーノは小児ながらも、『多分、自分の血筋には何かしら問題がある』と考えるようになってしまったのでした。
そして、新暦62年の春、ハドロの支族が〈無93スパルトヴァール〉に居を移したのに合わせて、ユーノ(6歳)は独り、遠く離れたミッド南部の某魔法学校に入学しました。
「スクライア一族の長老からの推薦」によって、ユーノは「特別寮生」という扱いになったのですが、教師たちからは早々に「神童」と評価され、わずか2年間で「高等科の課程まで」すべて修了してしまいました。
(普通の人間ならば、初等科に5年、中等科に3年、高等科に2年、合わせて10年はかかる行程です。)
その上、魔法の実技試験も大半がA評価だったため、教師たちからも『あなたは明らかに天才であり、ミッド全体でも「何十年かに一人」というレベルの逸材なので、是非とも特待生として、このまま大学へ』と強く勧誘されたのですが、ユーノ(8歳)はそれを固辞して、一族の許へ戻ることにします。
しかし、ユーノは卒業と同時に、また不意に体調を崩して現地の病院にしばらく入院しました。その際には、ハドロが保護者としてその病院に呼ばれたりもしましたが、同年の7月には、ユーノは無事に退院した上で、「嘱託魔導師」の資格も取って、スクライア一族の許に戻って来ます。
それは、ハドロの支族がスパルトヴァールからドルバザウムへと居を移す、半年ほど前のことでした。
さて、ここで物語はまた現在(新暦65年の4月)に戻ります。
長老ハドロは、「行きつけの病院」の前でユーノの決意の固さを見て取ると、ガウルゥの猛反対を制して、ユーノに地球行きの許可を与えました。
「しかし、あれほどのロストロギアを回収し、封印して回るには、やはり、相応のデバイス
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