【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第2節】ユーノ・スクライアの物語。(後編)
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づけました。クレモナ語で「平穏無事」という意味の名前です。自分の子供に願いを込めてそう名づけたということは、やはり、彼女自身は相当に波乱に富んだ人生を送って来たのでしょうか。
しかし、新暦58年の6月末、ユーノが満2歳で遅ればせながら卒乳した直後に、アディは不意に病に倒れ、その年の8月には早々と病死してしまいました。
そして、遺言により、彼女の墓はそのまま「ナバルジェスにおける、スクライア一族のキャンプ地」のすぐ近くに建てられたのでした。
【管理世界の常識としては、墓を築く場所は「出生した土地、長く住んだ土地、死亡した土地」の三択であり、遺言や遺書などが何も無ければ、優先順位もその順になります。
しかし、スクライア一族は「流浪の民」であり、特定の世界に長く住み続けることも無ければ、生まれ故郷に格別の愛着を持つ者も滅多にいません。
そのため、死亡した土地にそのまま墓を建てることも、「スクライア一族としては」決して珍しいことではなかったのです。】
『私の身魂は、特に祀っていただかなくて構いません。ただ三十年後の「祀り上げ」の時に、この子が一度だけここに来てくれれば、それで充分です。……ただし、私の遺体と一緒に埋めてほしいモノがひとつあります』
アディは最後に、マルギス夫妻にそう頼んで亡くなったのだそうです。
【日本の仏教でも、しばしば故人の「年忌法要」を「三十三回忌」や「五十回忌」で終了として、それ以上はもう祀らないことにしていますが、それを一般に「弔い上げ」と言います。
この作品では、『聖王教を始めとする〈次元世界〉の諸宗教にも、同様の風習は汎く存在している』という設定で行きます。ただし、「弔い上げ」と言うと、どうしても仏教用語に聞こえてしまうので、この作品では、これをあえて「祀り上げ」と呼ぶことにします。
なお、聖王教では、一般に「30回忌」で「祀り上げ」となります。
(その理由などに関して、詳しくは「背景設定10」を御参照ください。)】
同58年の10月には、ハドロの支族は丸三年に亘る〈無81ナバルジェス〉での仕事を終え、また別の無人世界へと赴きました。
その後は、もっぱらハドロとガウルゥが(ミーナにも手伝ってもらいながら)ユーノを育てたのですが、実のところ、当時のユーノは病弱で、何かと手間のかかる幼児でした。
その代わり、ユーノは大変に聡明な子で、しかも、4歳で早くもリンカーコアが顕現し、魔力が発現します。そして、ハドロが教えると、ユーノは物凄い速さでさまざまな魔法を習得していきました。
よほど「天賦の才」に恵まれていたのでしょう。
また、ユーノは6歳にな
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