【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第1節】ユーノ・スクライアの物語。(前編)
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
健診の日程を前倒しにしました。
ガウルゥは取り急ぎ病院側の了解を取り付けると、軌道上で待機している次元航行船の格納庫から旧式の小型艇を、随分と手慣れた様子で引っ張り出します。
彼はみずから操縦して、一旦その小型艇をキャンプ地の近くに降ろしたのですが……この状況では、もう一人だけ、艇内で「長老の世話をする役」の人物が乗り込む必要がありました。
ユーノは『例のロストロギアを管理局の船に引き渡すに際して、発見者がその場に立ち会う必要は特に無い』と知ると、迷わずその役を買って出ます。
こうして、三人は、〈外97地球〉と〈外72ファルメロウ〉を経由し、四日ほどかけて〈管46クレモナ〉の首都ティエラマウル郊外にある「第四大陸中央次元港」に到着しました。
(幸いにも、ドルバザウムの遺跡との間に「時差」はほとんどありません。)
管理局の船は、こちらの小型艇よりも巡航速度はだいぶ速いはずですが、『ちょうど四日前に、この次元港を発って、ドルバザウムに向かった』という話なので、きれいに「入れ違い」になった形です。
しかし、二人で長老を車椅子に乗せ、同じ首都郊外にある「行きつけの病院」にまで車で連れて来たちょうどその時、ユーノたち三人の許に凶報が届きました。
『管理局の船が〈ドルバザウム〉から〈本局〉へ戻る途中、最初の経由地である〈地球〉の上空で「原因不明の事故」に遭って機関部が大破し、21個の〈ジュエルシード〉もすべて、その世界に落下した。しかし、管理局は艦船の不足により、まだしばらくは現地に「回収のための部隊」を送り込むことができない』と言うのです。
それを聞いて、ユーノは『アレが本当にリストに書かれていたとおりの代物だったとしたら……そんな危険な〈ロストロギア〉を、魔法文化の無い管理外世界になど何十日も放置しておく訳にはいかない』と思い、本来は管理局がするべき「回収作業」を手伝うことを決意しました。
【私は当時、無印を観ていて、『まさか「取り扱い説明書」が同封されていた訳でもなかろうに、ユーノは何故、最初から〈ジュエルシード〉の特性を正しく把握できていたのか?』という点が個人的によく解らなかったので、この作品では思い切って『ジュエルシードの発見は、あれが最初では無かった』という展開にしてみました。】
しかし、ガウルゥには案の定、猛反対されてしまいました。
「はあ? ナニ言ってんだ。お前、正気か? お前はその事故について、『責任』があるどころか、『関与』すらしていないんだぞ。なんで、お前がわざわざ『管理局の尻ぬぐい』なんぞをしてやらにゃあならんのだ?」
当年、36歳。人相も言葉づかいも相当な悪さですが、新暦50年に21歳でハドロに命を助けられて以来、もう15年も彼の「従者」を務め続けているという、実直で義理堅い男
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ