暁 〜小説投稿サイト〜
それは双六だ
第二章

[8]前話 [2]次話
「やったな」
「そうだったのね」
「しかしな」
 ここでこうも言ったのだった。
「復員してからな」
「それからすぐに私と結婚してね」
「それからは遊びといったら」
 それはというと。
「麻雀だったな」
「あなた好きだからね、麻雀」
「復員してから知ってな」
 それでというのだ。
「それからな」
「はじめたのね」
「それでずっとな」
「働いている間は」
「パチンコか釣りかな」
「麻雀だったわね」
「今もどれもやってるな、それでな」
 妻にあらためて話した。
「今観たらな」
「人生ゲームは双六ね」
「最初観てそう思ってな」
 そうしてというのだ。
「ずっと観てもな」
「思ったのね」
「ああ、双六にしかな」 
 それこそというのだ。
「観えないんだがな」
「けれどあの子達は違うって言うのね」
「人生ゲームだってな」
「そうなのね」
「本当に違うのか」
 首を傾げさせつつ言うのだった。
「確かめたいな」
「だったらやってみたらいいでしょ」
 妻は即座に答えた。
「あなたがね」
「実際にか」
「何でも実際にやってみたらわかるでしょ」
「そうだな」 
 夫もそれはと答えた。
「それじゃあな」
「やってみましょう」
「ああ、ところで今日日本シリーズやってたな」
 夫はここで話題を変えてきた。
「どうなったんだ」
「さっきテレビのニュースでやってたわ」
「どっちが勝ったんだ」
「西武よ、七戦目だったけれど」
「勝ったか、じゃあ日本一だな」
「広岡さん胴上げされてたわ」
 監督の彼がというのだ。
「そうなっていたわ」
「そうなんだな、まあわし等には関係ないな」
「大阪に西武ファンっていないわね」
「元々九州のチームだろ」
 西武はとだ、夫は妻に言った。
「あそこは」
「西鉄よね」
「それが親会社が代わってな」
 そうなってというのだ。
「太平洋とかクラウンになってな」
「西武になって」
「そして埼玉に移ってな」
 そのうえでというのだ。
「西武になっただろ」
「あそこはそうね」
「関西に殆ど縁ないからな、ただな」 
 それでもというのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ