第3部
ジパング
灼熱の戦い
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私はシーラの立てた作戦通り、先ずはユウリと合流するために走り出した。
オロチの攻撃によって重傷を負ったユウリは自分には回復呪文をかけず、代わりにナギを回復させると、無謀にも一人でオロチのもとへと走って行ってしまったのだ。
そして私が走り出したころには、ユウリはオロチと再び戦闘を繰り広げていた。
??急がなければ!!
私は星降る腕輪の力を最大限に発揮させ、複数のオロチの首と対峙しているユウリのもとへダッシュした。
今戦っている四頭の首??紛らわしいので、中央の司令塔となる首を『本体オロチ』、手前側左の首を『牙オロチ』、奥側右の首を『炎オロチ』、奥側左の首を『追撃オロチ』と呼ぶことにする??は、剣で必死に捌くユウリに次々に襲い掛かっている。よく見るとシーラの言うとおり、主に攻撃をしているのは牙オロチで、牙オロチに隙が生まれたのを見計らって横から追撃オロチが同じように攻撃をしてくる。その間、炎オロチはほとんど動かず、様子を窺っている。
いや、本体オロチの目が光った! それと同時に炎オロチがゆっくりと息を吸い込んでいる。今から炎を吐く気だ!
私はさらに加速し、炎オロチが炎を吐き出す直前に、他のオロチの攻撃を躱しつつユウリに体当たりした。
「っ!?」
急に私に体当たりされ、一瞬動揺するユウリ。そのまま私たちはもんどりうって地面に転がる。
その瞬間、炎オロチが炎を吐き出すが、誰もいない地面を焦がすだけだった。
「ミオ!?」
ユウリを後ろから押し倒すような形になりながら、私は顔を上げる。その瞬間、彼の想像以上に酷い怪我に愕然とした。破れた服の下から見える焼けただれた体は私以上に酷く、この状態で戦えているのが信じられないほどだった。
それでも私は感情を押し殺し、彼に作戦を伝えた。
「ユウリ、シーラから伝言!! 皆で連携して倒そう!!」
もちろん伝えることはそれだけじゃないのだが、今はオロチの攻撃を避けることが最優先。私はそれだけ言うとすぐにユウリから離れた。
その間にも、二頭のオロチが続けざまに攻撃を繰り出してくる。
回避能力に関しては、星降る腕輪の力を使った私の右に出る者はいない。正直ユウリよりも回避できる自信がある。……まあ、腕輪の力があればの話だけど。
私はユウリからある程度の距離を保ちつつも、難なく二頭の攻撃を躱す。
そして三頭のオロチの動きが偶然にも同時に止まったころを見計らい、私はユウリのもとへと跳んだ。
「ユウリ! 私と一緒にオロチの注意を引き付けて!! シーラが合図したらいったん離れて!!」
私の伝言に、何かを察したのかユウリは短く頷く。
次いで四つそれぞれのオロチの特徴を、簡単に説明した。一瞬ユウリの眉間にしわが刻まれたが、すぐに戻り一言「わかった」とだけ答えた。
すると、
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