第3部
ジパング
灼熱の戦い
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はさらに首を伸ばして私を口でキャッチしようとしている。まずい、なんとか体勢を立て直さなきゃ……。
「ミオ!!」
私を呼ぶユウリの声が聞こえると同時に、追撃オロチの首が不自然に傾く。それととともに、紫色の血が噴き出した。
下を見ると追撃オロチの首が真っ二つに斬られていた。牙オロチの攻撃の間隙を縫い、ユウリが追撃オロチの首を斬ったのだ。
「ユウリ、ありがとう!!」
ユウリの姿を確認した私は、ほっとしながら地面に着地する。
「無茶しすぎだ、バカ!!」
「それはこっちのセリフだよ!!」
なぜか頭ごなしに怒られたので、思わず私も言い返す。見るとユウリの顔が火照っている。おそらく火傷のせいだろう。目の焦点も心なしか定まっていないように見える。早く手当てをしなければ……!
『おのれ……。人間どもがぁぁああ!!』
しかしそこへ突如、本体オロチが咆哮を上げた。最初の時よりも数段パワーアップしているのか、離れているのに衝撃波で体が動けない。
そこへ、私とユウリが動けないところに、牙オロチが襲い掛かってきた!
「ヒャド!!」
いつの間にかオロチの近くまで来ていたシーラの呪文が声高に響く。ちょうど私の目の前まで迫ってきた牙オロチの頭が、彼女の呪文によって氷漬けにされた。
「くらえっっ!!」
続いてナギのチェーンクロスが牙オロチの頭を粉砕する。まるでこの時を待っていたかのような見事な連係プレーに、私は思わず感嘆の声を上げる。
「二人とも、すごい!!」
「バカ、まだ油断するな!」
動けるようになったユウリが、私の首根っこを掴みながら後ろに飛び退いた。一瞬何事かと混乱したが、
ゴオオオッッッ!!
いつの間にか復活した炎オロチが炎を吐き出していたことに気づき、慌てて体勢を立て直す私。
「う……、ごめん」
だが、残るは炎オロチと本体オロチのみ!! しかも今炎を吐き出したから、炎オロチには隙がある!!
「二人とも、こっちへ!!」
突然、切迫した表情でシーラが叫んだ。あれはシーラの合図だ!
私はユウリとともに急いでその場から離れる。ここまでは作戦通りだ。
『許さぬ……、許さぬぞ!! わらわをここまで侮辱するとは、あの女以来だ……!』
あの女!? って、どの女!?
すると本体オロチは、例の予備動作をし始めた。これはまさか、あの強烈な炎のブレス!?
「ユウリ、急ごう!!」
ユウリもわかっているのか、無言で走る速度を速める。ようやくシーラたちの近くまでやってきたと思った時だ。なぜか二人はその場に動こうとしない。
「二人はもっと遠くに逃げて!!」
「シーラたちは!?」
「今やらないと間に合わない!! ナギちん、お願い!!」
「ああ!!」
どういうこと、と尋ねる暇もなく、シーラは目を閉じて精神を集中さ
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