エピローグ
[2]次話
「……ここ…………どこだ?」
若干低めの声が山の切りたった崖にこだまする。ギルドから支給された地図にもこんな場所は載っていない。
「参ったな……」
ペラペラと地図を捲りながらもと来た道を引き返す。夕飯の材料をとりにきただけなのに道に迷ってしまった。
(着いてない……)
腰に二丁の拳銃を下げたロイド=アステルムは心の中で自分の運の悪さを呪いながら草を掻き分けて進んでいく。黄色い前髪が目にかかりそうになり手で払う。
今回の任務は山賊達のアジトを突き止めること。直接戦う訳でもないからかなり楽な任務のはずだった。
しかし迷ってしまっているのではいくら簡単な任務でも意味がない。任務を始められないのは問題外だ。
急いでパートナーのサリー=カラムジャンがいるテントに戻ろうと地図を見ながら進んでいく。
すると次の瞬間大きな爆発音が聞こえ少し地面が揺れた。振り返ると崖の向こう側から煙が立っているのがちらりと見えた。
「なんだ……?」
一瞬、自分が起爆スイッチか何かを気付かない間に押したのかと思ったがあんなに離れている場所だ。有り得ない。となると山賊が一般市民を襲ったという可能性が高い。
「チッ!」
軽く舌打ちをし腰に下げた拳銃を片手に持つ。走りながら地図をしまい、もうひとつの拳銃をとる。サリーには悪いが人の命が掛かっているならばそちらを優先しないといけない。
二つの拳銃を握り直しロイドは煙があがる場所に急いだ。
[2]次話
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