第四章
[8]前話
「何とかです」
「マングローブ林が戻ってきていますね」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうなっています」
「そうですか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「これからはマングローブ林を増やし」
「環境を回復させていきますか」
「実はです」
ラシールはここで居蔵に話した。
「あの林はずっとマラリアを持っている蚊がいたり」
「あと海賊の隠れ家でしたね」
「そうでして」
「厄介な場所でしたね」
「それに森林資源にもなってです」
そうしてというのだ。
「跡地で海老を獲り」
「養殖もして」
「厄介な場所を利用出来ると思っていたら」
それがというのだ。
「養殖出来なくなれば」
「跡は更地ですね」
「そうなるので」
「そうした場所が増えて」
「環境破壊が進んで荒れてしまいました」
かつてマングローブ林だった場所がというのだ。
「そうなればそれはそれで、です」
「大変なことです」
環境保護の観点からだ、居蔵も答えた。
「それはまた」
「そうですね」
「それで、ですね」
「あらためてそちらに力を入れまして」
そうしてというのだ。
「環境を回復させています」
「それは何よりですね」
「厄介と思ってなくしても」
「なくした跡は何もなくなるので」
「それではかえって駄目ですね」
問題があると思われていた場所でもというのだ。
「それはまた」
「そうですね、今はマラリアも薬があり」
「治療法もあって」
「昔より驚異ではないですし」
「海賊も隠れません」
ラシールは言った。
「今も海によからぬ連中がいても」
「それでもですね」
「あそこに隠れなくなったので」
マングローブ林にというのだ。
「いいです」
「そうですね、では」
「これからも回復させていきます」
マングローブ林をとだ、ラシールは自分達が今いる岸辺から居蔵にその林の一つを見せつつ話した。そこはかつて居蔵が海老の養殖場をもうける為に頑張った場所であった、そして。
ラシールはあらためてだ、彼に顔を向けて話した。
「それで今度は最新の海老の養殖場について」
「はい、お話しましょう」
「今度は環境のことも考えた」
「そちらのことをしていきましょう」
居蔵も笑顔で応えた、そしてそちらの話もしていった。もうマングローブ林とは関係なく環境への影響も比較的少ない養殖場のそれをしていった。
マングローブ林がなくなり 完
2023・7・12
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