フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
聖譚歌の奏者達
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うう、いててて……」
リーファに思いっきり張られた頬を涙目でさすりながらキリトがとぼとぼ歩く。
「さっきのはパパが悪いです!」
「本っ当。失礼しちゃうわ」
「……弁護のしようがありませんね」
口々に言われた非難の声にキリトは何やらぶつぶつ言っていたが、ルグルーの大門をくぐるとあまりの賑やかさに注意を奪われた。
リーファも似たようなもので、吸い寄せられるように武器屋へ赴く。
……女の子としてどうなのかとは思うが、突っ込みはしない。
「そう言えばさー」
キリトがのんびりとした口調でリーファに話し掛ける。
「ん?」
「サラマンダーに襲われる前のメッセージって何だったの?」
「あ、忘れてた」
ガクッ、と力が抜けるが、何とか直立を維持する。
一応、現実で連絡を取ってみるということでリーファはログアウトしていった。
その間、キリトは露店商へ、私はユイと一緒にリーファのアバターの近くにいた。
不意にユイが聞きづらそうに声を発した。
「ねぇ。1つ、聞いてもいいですか?」
「ん、何?」
「……私を作った、『水城雪螺』さんについてです」
「…………」
彼女の育て母は医者、とは言っても専門は無い。謂わば、『医療』そのものが専門だ。
某T大学医学部を首席卒業後、外国へ留学。各地で医療を学び、帰国後、結婚し、一子をもうける。
以後、国内のあちこちでゼロコンマ以下の成功率の難手術、治療を成功させ、『神医』と言われるようになった。現在は治療不可能な病気について研究していると聞いたが、詳細は知らない。
知りたくもない。自分の子供を含め、私達兄妹達を人と思わぬあの女のことは。
「……ねぇ、ダメでしょうか……?」
「ごめんね、ユイ。いつか、私かお兄様が話すよ」
「……はい。待ってます……」
時が来れば直葉にも話さなければならないだろう。それは螢もまた同じ。
「……願わくは、ずっとこのまま……」
「ねぇ?」
不思議そうに顔を覗き込むユイに笑って何でもない、と返していると、リーファが急にガバッ、と顔をあげた。
「セラ!」
「何かしら」
「サクヤ達が危ない!」
「知ってるわ」
途端に驚愕に顔を染めるリーファ。
「レコンに調べさせてたの。さっきのメッセージはそれだろうとは思ったけどね。……依頼主の私じゃなくてリーファに連絡したレコンが悪いわ」
「あんの、バカッ!!」
キリトが帰ってきて、リーファの剣幕に驚き、訊ねる。
「どうかした?」
「キリトさん、私達は急な用事が出来ました。故に、あなたをア
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