第一章
[2]次話
さかさまの木
アフリカの古いお話です。
ハイエナは兎に角お寝坊さんでしかもそそっかしいという困ったところがありました、それでサバンナの神様にいつも言われていました。
「そなたはもっとだ」
「寝坊に気を付けてですか」
「そしてそそっかしいところもだ」
こう言われるのでした。
「ちゃんとしないと駄目だ」
「わかってますが」
ハイエナはいつも困ったお顔で答えました。
「それでもなんですよ」
「その二つはなおらないか」
「これが中々」
「そうか、しかしな」
「それでもですか」
「その二つはな」
寝坊とそそっかしいところはというのです。
「何とかな」
「なおさないと駄目ですか」
「そうだ」
神様はいつも言いました。
「本当にな」
「難しいです、僕にとっては」
「誰でも難しいことはある」
神様はこのことはその通りだと答えました。
「どうしてもな、しかしな」
「それでもですか」
「努力して少しずつでもな」
「なおしていくことですね」
「そうしないと駄目だ」
「じゃあ何とか」
「なおしていくのだ」
神様はいつもハイエナに注意しました、そしてです。
彼なりにいつも気をつけました、ですがその二つは中々治りませんでした。そんな中で神様はサバンナの皆に言いました。
「今度そなた達に命じることがある」
「何ですか?」
「それは一体」
「命じることって」
「何なのでしょうか」
「うむ、そなた達に一本ずつ木を植えてもらいたい」
皆にこう言いました。
「そうしてもらいたい」
「木ですか」
「それをですか」
「このサバンナに植えるんですか」
「そうするんですか」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのです、見ればサバンナは草原が広がっていますがそのサバンナに木は数える程しかありません。
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