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アイヌラックル
第一章

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                アイヌラックル
 カムイ達がこの世を創造していた頃のことである。
 火のカムイは他のカムイ達と話をしていた、そこでこう言われた。
「既に色々なものを造っているが」
「そろそろ人間も造らないか」
「それでそなたの力も借りたい」
「火は温もりだ」
「その力は絶大だからな」
「そうか、しかしだ」
 火のカムイは赤い立った髪と黒い肌を持っている、若々しい細面でありその顔で他のカムイ達に話した。
「実は私も今はな」
「これといってか」
「考えがないか」
「そうなのか」
「思い浮かばない」
 こう言うのだった。
「どうもな」
「そうか、人間を造るにあたって」
「どうにもか」
「それでは待つ」
「そなたの考えが出るまでな」
「人間を生み出すにあたってな」
「そうしてくれるか、ではだ」
 火のカムイはあらためて言った。
「既に多くのものがある地上にもだ」
「降り立つか」
「そうしてか」
「閃きが来るのを待つか」
「そうするか」
「閃きは考える時も出るが」
 それでもというのだ。
「歩いて見て回ってもな」
「出るな」
「あれは突然出る」
「何をしていたり見ていてもな」
「だからそうするか」
「人間もこの世界に必要だ」
 絶対にとだ、他のカムイ達に答えた。
「だからな」
「それではな」
「待たせてもらう」
「そなたの閃きをな」
「それをな」
「ではな」
 火のカムイは他のカムイ達に答えてだった。
 そのうえで考えたりしてだ。
 地上にも降り立った、そうしてそこにある自分達が生み出した実に多くのものを見てその中を歩きもしたが。
 その中でだ、木のカムイが生み出しただ。
 ハルニレの木を見た、するとその傍にだ。
 緑の長い髪の毛にすらりとした容姿を持つ少女の姿をしたカムイ、ハルニレのカムイがいた。ハルニレのカムイは自分から火のカムイに言ってきた。
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