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ると彼は少し嬉しそうに言った。『そいつは、キリトがでかい壁を乗り越えて倒したボスモンスターだ。そういう意味じゃ、それはキリトの強さそのものかもな』


その姿に怯んだサラマンダーの陣形が崩れた。その隙を見逃す彼女ではない。盾装備3人の頭上を跳躍で飛び越えると、後衛のメイジ逹を次々に葬っていく。

遂に1人になった哀れなメイジに悪魔(キリト)鬼神(セラ)がドスンドスン、ツカツカ歩み寄る。


「2人とも!!そいつ生かしといて!!」


そういえば色々吐いてもらわなきゃいけなかったわね。チャキ、と男の首筋に剣を当てると、顔面を蒼白にさながら叫んだ。


「こ、殺すなら殺しやがれ!」


ザクッ。……おっと。


「セラ!ま、待ってったら!」

「……ごめん。つい」

「意外とえげつないですね。ねぇは」

「ね、ねぇ?」


む、めんどくさいことに……。その時、元の姿に戻ったキリトが首をコキコキ鳴らしながらやって来た。


「いやあ、暴れた暴れた」


その口調はのんびりとしている。サラマンダーの隣にしゃがみこみ、肩をポンと叩く。


「よ、ナイスファイト」

「は……?」

「いやあ、いい作戦だったよ。俺1人だったら速攻やられてたなー」


……そう言えば以前、どこかで聞いたことがある。


「さて、物は相談なんだがキミ」


大人の取引に口を使わない。


「これ、今の戦闘で俺がゲットしたアイテムと金なんだけどな。俺達の質問に答えてくれたら、これ全部、キミにあげちゃおうかなーなんて思ってるんだけどなぁー」


主に、金品が話すのである。


「……これも有るわ」


取引は即座に成立した。







____________________________________








男の話を要約すると、昨日の戦闘でキリトがある《作戦》の邪魔になる、と判断したサラマンダーの上層部が兵隊を緊急召集したらしい。

《作戦》の細部は分からなかったが、男も下っ端のようなので、こんなものだろう。

やれやれ、と首を振ると、キリトがこっちをじー、と見てくる。


「な、何ですか?」

「いや、やっぱり似てるなーって」


キリトはリアルの情報に関わることなので、リーファに聞こえないよう、オフレコにしている。


「……本当ですか?」

「うん、似てる。今の首を振る仕草とか」


確かに、螢兄……というか家族全員の癖に、やれやれと首を振る動作がある。そこがまた彼女は嬉しい気がした。


「なーに、コソコソ話してるのよ!!」

「わぁ!?」


リー
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